研究課題/領域番号 |
15530521
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
吉田 亮 同志社大, 文学部, 教授 (00220690)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 1930年代 / 民主化主義 / ハワイ / アジア系二世 / 越境教育 / 同志社大学 / 異人種間交流 / チェーン・スクール / 日本語学校 / 同化 / 民主化 |
研究概要 |
本年度は、1930年代ハワイのアジア系移民二世へのハワイアン・ボード系教育機関の対応を明らかにするために、ハワイ現地調査を行った。同団体系列の主要教育機関であるミッド・パシフィック学院、クロスローズ教会、ヌアヌYMCA所蔵の記録類の調査、及び、ハワイ大学マノア校ハミルトン図書館パシフィック・ハワイアン・コレクション所蔵の同3機関が主要な訪問先であった。同3教育機関は、ハワイアン・ボードが1930年代にアジア系移民二世を教育・教化するために用いた主要媒体であった。調査によって、それぞれの機関が所蔵する年報、機関誌、議事録類を収集した。内容を検討すると、同3機関が、アジア系児童の社会的地位向上、リーダーの育成、異文化間教育の推進など、当時の公立学校が進める「アメリカ化」教育活動とは違ったいわゆる「進歩主義的」な思想や教育方針をとり、それに基づく実践活動を実施していたことが見えてきた。さらに、当時のアジア系児童の過半数以上を占める日系児童への教育に際しては、日本の人的資本を活用し、日系二世に対する学校外での教育活動を担わせていたこともわかってきた。例えば、原田助や奥村多喜衛が関与した日本語教育や、奥村多喜衛が主催した日系市民会議、そして同社大学が受け入れ校となって実施された日本留学プログラム(フレンド平和奨学制度)などである。こうした発見を公表するため、2005年2月1日に、同志社大学でシンポジウム「多文化社会ハワイを生み出す教育-戦間期、同志社人による日系市民教育活動-」を開催し、その中で「ハワイの文化変容と教育」と題する発表を行った。本発表で、当時のハワイアン・ボード指導層がおこなった、国境を越えた人的資源を効果的に使用した日系市民教育の代表例を紹介し、同団体の教育活動が白人支配を前提とする「民主主義」という枠組みを破壊する、広い視野を日系二世に習得させるものとなったことを明らかにした。
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