研究課題
基盤研究(C)
3年間にわたるイギリス学校評価に関する諸資料の分析及び現地調査に基づき、イギリスの学校評価システムの特徴について以下のような知見を得た。1.学校評価の成否は個人的資質に負うところが大きく、19世紀に経験した出来高払い体制における学校査察の実際と性格的に似通った部分が看取される。2.第三者機関(OFSTED)による学校評価を契機にして、学校改善への自覚的な取り組みが根付きつつある傾向にある。「公正と信頼」が強調され、学校がもつ長所を積極的に評価しようとする姿勢がみられ、学校の自律性の醸成が認められる。3.パフォーマンス・マネジメントの実際を分析した結果、個別の授業観察票でも長所の発見と協議、改善目標の明確化に重点が置かれている。4.「到達目標(attainment goals)」を達成するために教師がいかなる指導上の配慮を行ったかを日常的に記録し、若手とベテランの組み合わせによる幾層もの評価組織を考案し、同僚による評価も組み込む等の工夫もみられる。5.学校の自己評価については、戦略策定・開発チーム(Strategic Development Team )や学校改善チーム(School Improvement Team)を編成し、生徒の成績の向上度の把握等に努めていること。6.2005年4月の教育法(Education Act 2005)制定後、試行(pilot inspection)も概ね支持を集めているとともに、実際に査察を経験した学校の反応も良好になったことを明らかにした。以上を踏まえ、イギリスではナショナル・カリキュラムを基準としての児童生徒の達成度評価、学校改善に向けてのパフォーマンス・マネジメントにみられる自己評価と同僚評価、Ofsted認証機関による定期集中評価の三相構造が構造的特徴であることを指摘した。
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科研費報告書
ページ: 116-116
総合教育技術 5月号
ページ: 12-13
Sogo Gijutsu kyoiku No.5
総合教育技術(小学館) 5月号
九州産業大学国際文化学部紀要 第28号
ページ: 39-55
110006178833
総合教育技術 10月号
ページ: 46-47
Journal of the Faculty of International Studies of Culture, Kyushu Sangyo University No.28
Sogo Gijutsu Kyoiku No.10
九州産業大学国際文化学部紀要 28号
Final Report of Grant-in Aid for Scientific Research