研究概要 |
平成15年度は、大分県他の県レベルで行っている青少年の発達促進に関わる事業について調査・検討した。図書館資料なども随時参照したが、主として、教育委員会、福祉関係部署、警察少年課などを訪問した。資料収集とそれらの検討を主としたが、併せて、図書資料から得た、民俗行事が持つ意味についても検討した。 平成16年度は、資料収集を補いながら、現行青少年向け事業と民俗行事との本質的な違いの検討を行った。そこから下した暫定的結論は以下の通りである。 1,現行の公的部署が行う青少年向け事業には優れた内容が潜在する。 2,にもかかわらず、それら事業に参加する青少年は限られる傾向がある。 3,多くの青少年は、なお、消費文明に傾倒しており、発達阻害を克服し得ない状態である。 4,これに対し、伝統民俗には「全員参加」の慣習がある。この慣習は社会性獲得過程で価値がある。 5,消費文明の背後にある「自由参加」に加え、社会性を獲得する意味で「責任参加」の観念を、民俗慣行にならって、地域に定着させることが大切である。
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