研究課題/領域番号 |
15530553
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育社会学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
喜多 明人 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70147932)
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研究分担者 |
山西 優二 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50210498)
荒巻 重人 (荒牧 重人) 山梨学院大学, 法科大学院・法学研究科, 教授 (40232053)
田代 高章 岩手大学, 教育学部, 助教授 (70294486)
松倉 聡史 名寄短期大学, 生活科学科, 助教授 (00341678)
安部 芳絵 早稲田大学, 文学学術院, 助手 (90386574)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 学校運営 / 子ども参加 / 保護者参加 / 地域住民参加 / 学校協議会 / 学校評議員制度 / 開かれた学校づくり / 学校運営への参加 / 教育改革 / 子どもの権利 / 子どもの権利救済 / オンブズパーソン制度 |
研究概要 |
本研究の中心は、北海道幕別町札内北小学校と鶴ヶ島市の学校協議会についてのフィールドワーク調査である。したがって、本研究の成果は、それらのフィールドワーク調査を通じたものである。 第一に、幕別町札内北小学校に関する調査研究からは以下の成果が考えられる。すなわち、学校・学級づくりや学校の改革などの教育実践が行われるための条件のひとつは、教師と子ども(児童)とが信頼関係を構築することであり、その信頼関係を構築するためには、教師が、子ども(児童)をパートナーとして捉えることが重要だという点である。つまりは、学校づくりや学級づくりを行っていく中で、子どもと教師とが「対話」する機会を多くもつということである。札内北小では、教師の学校改革に対する熱意と努力により、その機会を教育課程及び実践の上で確保している。それは、子どもが自分自身の意見をいうまでに極めて多くの時間もかかることから、「待ちの教育」とよばれている。ただし、そのような「待ちの教育」は、授業の合理性や効率性を求める子どもの保護者から見れば、不満であることも伺うことができる。そこで、今後は、教師のそのような教育実践を存続させるためには、学校・教師と家庭・保護者との関係づくりが課題であることが明らかになった。 第二に、鶴ヶ島市学校協議会については、アンケート調査を通じて以下の成果があった。まず、子どもや保護者、地域住民、教職員の代表者が、学校運営に参加する仕組みは、少なくとも「おとな」協議委員にとっては肯定的に捉えられている(必要と感じている)と共に、学校づくりに一定の効果があるということである。学校づくりへの効果としては、学校・家庭・地域の関係づくりと情報の共有化が最も多い。なお、学校施設の改善につながったなど具体的な効果事例があるところほど、その仕組みへのニーズが高いことも明らかになっている。次に、「子ども参加」については、多くの「おとな」協議委員が肯定的に捉えていること、そして、「子ども参加」の協議会は、学校づくりにとって具体的な効果に結実しやすいことが明らかになっている。その他にも、学校協議会が機能するための実施運営上の条件は、協議会の開催回数の多さにあることが明らかになっている。 本研究は、以上の成果を中心に、おとな・教師と子どもとの関係、そして学校・家庭・地域の関係の実態と課題が明らかになっている。
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