研究課題/領域番号 |
15530614
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
特別支援教育
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川住 隆一 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20124208)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 重複障害 / 重症心身障害 / コミュニケーション / 通訳 / 生涯学習 / QOL |
研究概要 |
本研究の目的は、第1に、重症児施設で生活する重複障害者が、個々に適した意思表出手段を獲得するとともに、仲間への話題提供の基盤となる生活経験を拡大し、その経験内容を保持していくことを助ける方法を明らかにすること、第2に、重複障害者相互のコミュニケーションの場における援助者の役割を明らかにすることである。このため本研究においては、肢体不自由を主とする5名の重複障害者(いずれも受信よりも発信行動に大きな制約を受けている)を対象として検討がなされてきた。 第1の目的のためには、対象者には、(1)スイッチ操作により作動する電動スクーター・ボードや電動車椅子を牽引機として対象者の乗る車椅子を動かしたり停止させて移動を行う活動と、(2)スイッチ操作により撮影できる小型カメラを用いた写真撮影活動を提案した。対象者はいずれの活動にも大きな関心を寄せて取り組むとともに、様々な感想を述べていた。このような感想は、次に述べる話し合いの場へとつながった。 第2の目的のために、仲間同士の話し合いの場が月に1回程度設けられて、いろいろな話題が出されてくるようになった。それらの話題は例えば、施設内での行事や自分の活動、帰省時のこと、家族のこと、職員のこと、食べ物のこと、そして上記の活動内容の感想等である。本研究の2年目においてはまた、自分の体験や感想を述べるだけでなく、他者の話題提示に対する質問や意見、感想等も出されるようになった。話し合いが進展するためには、援助者は、通訳的役割、司会的役割および一参加者としての役割を負う必要があることが分かった。特に通訳的役割は重要であるが、この役割を十分に果たすためには、対象者の背景(普段の生活、家族、趣味、等々)をよく理解しておくことが必要であった。また、話し合いにおいては、対象者の個性が徐々に現れてきており、司会的役割を果たすにはこの個性を考慮することも重要であった。 以上の成果は、3部構成で、研究成果報告書としてまとめられた。
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