研究課題/領域番号 |
15530621
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
特別支援教育
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
上村 惠津子 信州大学, 教育学部, 助教授 (30334874)
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研究分担者 |
石隈 利紀 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (50232278)
永松 裕希 信州大学, 教育学部, 助教授 (60324216)
水野 治久 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (80282937)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | コンサルテーション / 事例検討会 / ビリーフ / 保護者面談 / 連携 / 発話分析 / ロールプレイ / 保護者との連携 |
研究概要 |
本研究では、事例検討会、教師が行う保護者面談、教師のビリーフに焦点をあて、保護者と教師の連携を促すためのコンサルテーションプログラムを検討した。 まず、コンサルテーションプログラムの構成に先立ち、事例検討会の現状と課題を明ちかにした。その結果、現行の事例検討会には、意見交換不足、問題の要因分析不足、援助方針および役割分担の明確化不足の3つの課題があることが明らかになった(上村他,2004)。これらの課題に対応するため、インシデントプロセス法とABC行動分析を合わせた問題解決型事例検討会のモデルを構成し、その効果を検討した。モデルによる事例検討会では、参加者の発言数が確保されることが明らかになった。 次に、保護者面談における教師の言語コミュニケーションの実態を把握した。保護者面談を想定したロールプレイの逐語録を分析した結果、教師の言語コミュニケーションは、「情報提供」が最も多く、「指示」と合わると全発話の75%程度を占めることが分かった。一方、「パートナーシップ構築」「ポジティブな社会情緒的発話」「質問」といったカテゴリーは、全発話数の10%未満にとどまっており、教師のコミュニケーションは一方向的になりがちで、保護者との意見交換が十分になされていない可能性が示唆された。 最後に、保護者との連携に影響を及ぼす教師の個人要因として、教師のビリーフを取り上げた。教職員55名を対象とした調査を基にビリーフ項目の選定を行った後、小学校教員72名を対象に調査を行った。その結果、保護者との連携における教師のビリーフは、「連携スタンス尊重ビリーフ」「教師の立場尊重ビリーフ」「傾聴ビリーフ」の3因子で構成されることが明らかになった。教師は、保護者と対等な立場で共感的に接するという思いを持つ一方で、保護者に対して教師への配慮を求める思いも同時に持っていることが示唆された。 今後は、教師のビリーフと保護者面談の展開パターン、面談に対する保護者の評価との関連を明らかにしていくことが課題である。
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