研究概要 |
この研究では,既に得られているイデアルのRees環に関する結果をフィルトレーションのRees環に関するものへ拡張し,従来の議論の本質的な部分を見据えると共に,多様なフィルトレーションの解析へ応用することを目指した.ここで述べる環のフィルトレーションとは,イデアルの減少列F:A=F_0⊃F_1⊇F_2⊇…で,任意のm, nについてF_mF_n⊆F_<m+n>となるものとする. 4年間に渡る研究の結果、一般のフィルトレーションF={F_n}n∈Zに対してreduction syatemなる概念を導入し,それに関する「良い条件」の下でFのRees代数R(F)のCohen Macaulay性やGorenstein性を考察するという当初の計画は概ね達成することができた.ここで言う「良い条件」とは (i)Eを含む素イデアルで局所化した状況での条件と (ii)ある範囲のnに対する4/F_nのコホモロジーに関する条件 で書き出されたものであり,reduction systemを構成する元の個数lとF_1の高さ8の差l-sが1以下の場合には大変実用性の高いものと言える.実際,その場合に多くの具体的な応用も見出すことに成功した.又、lとsの差が高い場合にも、充分満足のいく結果が得られた.
|