配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,大域体上の旗多様体に付随して定義される基本Hermite定数の詳しい解析である.これについて以下の成果を得た. 1 Kを大域体とする.K上中心的な有限次元の斜体D上のn次元ベクトル空間Vから,Grassman多様体の捻れ形式としてSeveri-Brauer多様体Xが定義される.このとき,VおよびX上には,被数ノルムを用いて正の実数に値を取る高さ(height)H:V→Rを自然に定義することができ,またXのHermite定数γ(X)が定義できる.これについて (1)一般線形群GL(V)のアデール群上のある不変測度と玉河測度との比の計算から,γ(X)の下からの評価をDのゼータ関数の特殊値で与えた.(中村吉秀との共同研究) (2)Dが四元数体の場合に,数の幾何を援用した論法によりγ(X)の上からの評価を与えた.更にKが代数体の場合には,2次形式の対応物としてV上のquaternionic Humbert formを導入し,Voronoi型定理が成立することを示した.(R.Coulangeonとの共同研究) (3)V上の高さHについてMinkowskiの第2定理の拡張が成り立つことを証明した. 2 二つめの成果は大域体KのHermite-Rankin定数の新しい特徴付けである.K上のN次元ベクトル空間の中のn次元部分空間の成すGrassman多様体をGr(N,n;K)とし,一つのn次元部分空間Xを固定したときに,Xの中のm次元部分空間の成すGrassman多様体をGr(X,m)とする.このとき,Grassman多様体上の捻れ高さH_gを使って,Γ(g)=sup_X inf_Y(H_g(Y)H_g(X)^(-m/n))とアデール群GL_N(A)上の正値関数を定義する.ここでXはGr(N,n;K)全体を動き,YはGr(X,m)を動くものとする.このとき,Γ(g)の上限についてsup_g(Γ(g)^2)=γ(Gr(n,m;K))が成り立つことを示した.ここでγ(Gr(n,m;K))はGrassman多様体に付随する一般エルミート定数を表す.
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