研究概要 |
本研究では「hook length posetの完全な分類」と「hook length posetの組合せ論的構造と表現論的意味付け」を目的とした研究を行い,主として次の結果が得られた. 1.d-complete posetの拡張となるposet (leaf posetと呼ぶこととする)を導入し,leaf posetがhook length posetになることを証明した.また,その系としてCauchy identityの類似や拡張となるSchur functionの積公式を多数発見した.さらに,leaf posetがmultivaliable hook length posetになること証明した(hook length formulaの多変数化ができるposetをmultivaliable hook length posetと呼んでいる).また,既存の(multivaliable) hook length posetを利用した新しいhook length posetの構成法を発見し,元の個数が7個以下の全てのhook length posetはこの構成方法を用いて作られることが分かった。 2.2003年に岡田聡一氏によって予想されていたCauchy型の行列式とSchur型のPfaffianに関する等式の証明を行った。 3.Coxeter groupの(λ-)minuscule elementはfully commutative elementであり,対称群のfully commutative elementと321-avoiding permutationの同値性も知られている.そこで,321-avoiding permutationの拡張であるfully covering elementといったものをCoxeter groupに対して導入し,fully commutative elementとfully covering elementの一致するCoxeter groupはA, D, E型Coxeter groupに限られることを証明した.
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