研究概要 |
平成15年から18年度のこの研究期間における成果の概要を述べます。 申請者はJacobsonの研究の流れとして,三項系からLie algebra,もっと一般にLie superalgebraを構成・研究している.我々の研究は講演と種種の雑誌において論文等を発表させていただいた。特に2005年のフィールズ研究所(トロント大学)での招待講演,2006年N.Y.市立大学での招待講演は,毎年海外で講演している中でも特別のものと考える.三項系という非結合的代数系はKac, Zelmanov等のsuperalgebraを構築するのに役立っている(彼ら共,この研究費でここ数年度々国際会議にて討議させていただく機会があった.)論文はJ.Alg, CommALG, Edinburg, Math, Chech、J.等、で発表された。それらの成果は,主に,単純リー代数をフロイデンタール・カントール三項系より構成することに関連する.重復度2のルート系の分解は代数的な2項積では閉じていないが,三項系によって閉じた代数系であり,リー三項系と特に関連している.これは,Loos (Symmetric space), Bertram (The geometry of Jordan and Lie structure, Springer, 2000)等による幾何学と密接な関係があることからも理解されてきている.Bertramによって申請者の種々の論文等が上智大学講究録の中で論及されている.その研究は,ジョルダン三項系と呼ばれる我々のフロイデンタール・カントール三項系の場合の特別な場合における幾何学(特に対称R-空間等)の代数的特徴ずけを研究している.それは重復度1のルート系によるg=g_<-1>+g_0+g_1に対応する.我々の研究は,リー代数を基礎にしているが,この方法は,リー超代数の場合にも,適用可能であることを示しつつある.つまりKac, Jacobson, Koecher, Freudenthalの流れで考察している.以上が従来の研究経過・研究成果である.それらは三項系の純代数的成果である.
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