| 研究概要 |
本研究により,次のような成果が得られた.
1.線形化問題
線形化問題と密接な関係をもつ,Cancellation問題についていくつか重要な結果が得られた.
(1)Affine Pseudo-planesからなるcancellation propertyを持たないような無限次元の族が存在すること,さらに,非自明な代数的トーラス群の作用をもつaffine pseudo-planesはtom Dieck曲面に限ることを示した.
(2)Cancellation 問題は,"多項式環上のsliceをもつlocally nilpotent derivationの核は,多項式環であるか?"と言い換えられる.増田は,「多項式環上のsliceをもつtriangular derivationの核は,多項式環である」ことを幾何的に示した.triangular derivationは,locally nilpotent derivationの1種である.
2.一般化されたJacobian問題
一般化されたJacobian問題については,宮西が中心となって研究を行った.
(1)A^1-fibrationをもつsmooth affine surfacesの場合に一般化されたJacobian問題を考察した.特に興味ある対象であるaffine pseudo-planesについては,増田,宮西,R.V.Gurjar, P.Russellで共同研究を行い,その性質,構造を明らかにした.しかし一般化されたJacobian問題については,affine pseudo-planesおよびplatonic C^*-fiber spacesの場合とも残念ながら解決には至らなかった.
(2)宮西は「affine pseudo-planesに対する一般化されたJacobian問題は,affine pseudo-planesがGeneralized Sard Propertyを満たせば正しい」ということを示した.
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