研究概要 |
ユークリッド空間の完備で非コンパクトな超曲面でスカラー曲率が正で一定なものは,球面,円柱,回転面しか現在までに知られていない.この研究では,一般化された回転面で完備で非コンパクトな超曲面でスカラー曲率が正で一定なものを構成した.以前の研究では定性的な議論を用いた点が不満なところであったが,それを定量的な議論であいまいさを無くした. O(p+1)×O(q+1)-不変な一般化された回転超曲面について,スカラー曲率一定=Sを表す方程式は次のように書ける. (I)(dx)/(ds)=cosα, (dy)/(ds)=sinα, (dα)/(ds)=(p(p-1)((sinα)/x)^2-2pq(sinα)/x(cosα)/y+q(q-1)((cosα)/y)^2-S)/(2(q(cosα)/y-p(sinα)/x)) (x(s),y(s))が母線にあたり,αは接ベクトル(x',y')とx軸とのなす角である.この研究のキーポイントは,この方程式系を可積分な微分方程式系と比較することにより,解曲線の形をとらえることができたところである. 定理P【less than or equal】q+1,S>0(p,q【greater than or equal】2)とする.0<x_0【less than or equal】√<p(p-1)/S>と0<y_0【less than or equal】√<q(q-1)/S>とする.すると,常微分方程式系(I)は初期条件x(0)=x_0,y(0)=y_0かつα(0)=0に対して,(-∞,∞)で定義され,かつ,第一象限に入る大域的な解γをもつ.したがって,M_γはスカラー曲率一定S>0で完備な超曲面になる. 定理p>q+1,S>0(q【greater than or equal】2)とする.0<x_0【less than or equal】√<(p-1)(q-1)/S>と0<y_0【less than or equal】√<q(q-1)/S>とする.すると,常微分方程式系(I)は初期条件x(0)=x_0,y(0)=y_0かつα(0)=0に対して,(-∞,∞)で定義され,かつ,第一象限に入る大域的な解γをもつ.したがって,M_γはスカラー曲率一定S>0で完備な超曲面になる.
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