研究課題/領域番号 |
15540064
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
吉田 朋好 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60055324)
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研究分担者 |
二木 昭人 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90143247)
志賀 啓成 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10154189)
村上 斉 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (70192771)
小島 定吉 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (90117705)
遠藤 久顕 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20323777)
北野 晃朗 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (90272658)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 共形場理論 / 3次元多様体 / Witten不変量 / ゲージ理論 / WZWモデル / 量子不変量 / ベクトル束のモジュライ空間 |
研究概要 |
SU(2)WZWモデルの共形ブロックの各レベルkでの基底を,曲面上の安定ベクトルバンドルのモヂュライ空間上の正則直線バンドルの正則切断として具体的に表示することができた.具体的な表示とは曲面の写像類群に関する保型性が変換公式として計算可能であるような表示であることを意味する、吉田はこれをPrym多様体上の不変性を持つ古典的なリーマンテータ関数とテータ定数の組み合わせで与えた.この共形ブロックの基底の具体的表示により,共形ブロックのなすTichmuller空間上のベクトル束の射影接続と,その接続と両立する共形ブロックの不変内積の存在が系統的にみちびかれ,それからさらに変換公式が計算可能なかたちで求まる.これらの結果は1980年代にAtiyah-Hitchinにより提唱された「WZWモデルのアーベル化」を実行したもので,結果として得られた保型関数はSiegelモヂュラー空間上の保形関数からのTichmuller空間への制限では得られないものを与えており,写像類群の表現論と3次元多様体の位相幾何学への多くの応用が見込まれる.さらにこの結果を用いて吉田はChern-Simons量子不変量の真空ベクトルの内積による定義を与え,その漸近挙動を調べ、漸近展開公式の数学的に厳密な証明を与えることができた.この漸近展開公式の証明には吉田によるスペクトルフローとマスロフ指数との関係についての結果を本質的に用いる.また3次元多様体の基本群の非可換SU(2)表現のライデマイスタートーションの新しい計算法を与えており、テータ関数の変換公式との対応付けが可能になっている。これらの結果ならびに手法とChern-Simons量子不変量の組み合わせ的な研究との関連は大変興味深く、今後明らかにするべき課題である。非コンパクト群に対するゲージ理論は未だ未開拓の段階であるが、SU(2)Chern-Simons量子不変量をSL(2,C)Chern-Simons量子不変量に拡張する問題は現在の段階で手につく問題であると考える.具体的には上に述べた論文で構成された保形関数をHitchin Systemに含まれるHiggs場を取り込んだ関数に拡張することで可能になる。この関数の構成はすでに得られており、現在その変換性を調べている。SL(2,C)Chern-Simons量子不変量への拡張は量子不変量の3次元多様体の幾との関係において本質的に重要となると考えられる。
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