研究分担者 |
下村 克己 高知大学, 理学部, 教授 (30206247)
小松 和志 高知大学, 理学部, 助教授 (00253336)
森杉 馨 和歌山大学, 教育学部, 教授 (00031807)
築山 耕三 島根大学, 教育学部, 教授 (20093651)
河本 裕介 防衛大学校, 総合教育学群, 講師
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研究概要 |
研究実施計画の役割分担に従って,下記の研究成果を得た. 1.Williamsによって与えられた結合的H-spaceの積の高位ホモトピー可換性の定義を,高位ホモトピー結合的H-spaceに対して拡張した.さらにそれを用いて,有限生成コホモロジー環を持つH-spaceに関するmod p torus定理を与えた.結果は論文にまとめTran.Amer.Math.Soc.356に掲載されている. 2.WilliamsによるC_n構造に関連したさまざまな高位ホモトピー可換性を考察し,それを表現する多面体がpermutohedronのどのような部分集合になるかを調べた.特に,ある定められたshuffleの逆元全体からなる,n次対称群の部分集合により与えられる高位ホモトピー可換性を表現する多面体が,いわゆるshuffle polytopeであることがわかった.また,WilliamsのC_n-spaceが逸見のquasi C_n-spaceであることを示した際に用いられたpermutohedronの分解が,Kapranov-Voevodskyによって与えられたものと同一であることが判明した. 3.Devadosにより与えられた,穴あきRieman球面のmoduli空間のtessellationに対応するハンドル分解が,Boardman-Vogtにより与えられたassociahedronの分解を拡張することにより得られることがわかった. 4.H空間の間の写像f : X→Yが与えられたとき,fがH写像であれば,それは射影平面の間の写像を誘導し,逆にfが射影空間の間の写像を誘導するとき,Yがホモトピー結合的なら,fはH写像になることが知られている.示したことは,逆を示すためにはYのホモトピー結合性の仮定ははずせないという事実である.さらにはこの結果をA_n空間に対して拡張した.結果は論文にまとめられてHiroshima J.Math.35に掲載されている. 5.奇素数pに対して,高位ホモトピー可換性を満たすmod p有限A_n空間のコホモロジー環へのreduced power operationの作用について調べた.結果は論文にまとめられてGeometry and Topology Monographsに掲載予定である.
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