研究概要 |
ワイル多様体のアインシュタイン・ワイル構造を調べるためリーマンしずめ込みの一般化であるワイルしずめ込みなる概念を用いた。ワイルしずめ込みにおいて全空間がアインシュタイン・ワイル構造をもつための1つの必要十分条件を見つけた。それを用いて、η-アインシュタイン接触計量多様体(M, g,ξ,η)(すなわち、リッチ曲率r(X,Y)=βg(X,Y)+γη(X)η(Y)をみたす)が次元1の全測地的ファイバーをもつワイルしずめ込みの全空間であるとき、ワイル構造の1-形式ω=fηが垂直方向でγ≦0なら、(M,g,D)(Dg=ω【cross product】g)はアインシュタイン・ワイル構造をもつことを得た。さらに、次の2つの結果も得た。全測地的ファイバーをもつワイルしずめ込みにおいて、(1)ファイバーの次元が1でワイル構造の1-形式ωが垂直方向の場合、底空間がアインシュタイン空間で全空間(M,g,D)がアインシュタイン・ワイル多様体のとき(M,g,D)の標準的変分(M, gt、Dt)がアインシュタイン・ワイル構造をもつことがある。(2)ワイル構造の1-形式ωが水平方向の場合、底空間がアインシュタイン・ワイル多様体でファイバーがアインシュタイン空間かつ全空間(M,g,D)がアインシュタイン・ワイル多様体のとき(M,g,D)の標準的変分(M, gt、Dt)がアインシュタイン・ワイル構造をもつことがある。 別の結果として、ワイル多様体の一つの特徴を調べるのに大切な擬シュバルツテンソルを用いて、ねじれがないアファイン接続をも考えたときのワイル多様体の共形変形、メービュス変形で不変な量を調べた。
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