研究分担者 |
本橋 信義 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70015874)
塩谷 真弘 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (30251028)
板井 昌典 東海大学, 理学部・情報数理学科, 教授 (80266361)
桔梗 宏孝 神戸大学, 工学部, 教授 (80204824)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
有限構造のクラスKに属する構造をある意味でランダムに貼り合わせてできる可算無限構造MをKのジェネリック構造という.Kには半順序(強い意味で部分構造になるという関係)<が定義されていて,ジェネリック構造にもこの順序が移行する. 最も有名なジェネリック構造の例としては,ランダムグラフがある(この場合は順序<は自明なものを考えている).またZilber予想のHrushovskiによる反例構成にもジェネリック構造が使われている.ジェネリック構造は可算性の他に次の二つによって特徴づけられる: (1)の有限部分構造はKに属する (2)A<M, A<B(BはKに属する)のとき,MはBのA上のコピーを内部に持ち,さらにそのコピーB‘は条件B'<Mを満たす. Mを公理化しようとする場合に上の条件のうち(2)が問題になる.A<Mという条件が1つの論理式で表現できないからである.この関係は無限個の論理式で表現される.そこでこの条件を近似的にAが単に部分構造であるという条件にかえたものを公理(3)として考える.すなわち, (3)A⊆M, A<B(BはKに属する)のとき,MはBのA上のコピーを持つ. 条件(1)と(3)を満たす構造に対しての考察を行った.その結果,Kが以下の(*)で示される強い意味での融合性 (*)A<B, A⊆CならばBとCをA上埋め込むD∈Kが存在する. を持ち,なおかつある種の拡大条件を満たせば,(1)+(3)によりジェネリック構造の公理化がなされることがわかった(Zilberの結果の拡張).これらの条件を満たすKとしては,たとえばKαなどのクラスがある.本結果は桔梗氏,池田氏との共同研究によるものである.
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