研究課題/領域番号 |
15540110
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
二宮 祥一 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 教授 (70313377)
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研究分担者 |
楠岡 成雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (00114463)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 確率微分方程式 / 数値解法 / シミュレーション / 準モンテカルロ法 / 確立微分方程式 / 微分方程式の数値解法 / 数理ファイナンス / ファイナンス / Runge-Kutta法 / 高速化 / 金融派生商品 / 拡散過程 / 確率微分方程式の数値解法 |
研究概要 |
本研究の目的は、拡散過程X(t)のと関数fが与えられた時に期待値E[f(X(T))]の値を数値的に求める問題(弱近似問題)を、楠岡近似と呼ばれる新しい近似手法によって解決する方法を確立することであった。楠岡の研究により楠岡近似は既存の近似手法である、Euler-丸山近似に比して非常に少ない次元の数値積分によって近似を実現することが可能であることが示されていた。積分次元はMonte Carlo法を用いる限りにおいては、計算量に対して中立的であるので劇的な高速化は期待出来ない。しかし、quasi-Monte Carlo法は積分次元が小さくなると非常に高速になることが知られている。これらの事実から楠岡近似をquasi-Monte Carlo法と組み合わせることにより計算の高速化が期待されるが、現実の問題に適用する為には以下の様な未解決の問題が在った。 1.汎用的な楠岡近似オペレータの構成の困難 2.楠岡近似にquasi-Monte Carlo法を適用する方法の確立 3.現実の問題に適用しての実証例の不在 本研究は全ての問題を解決することに成功した。 1.に関しては、本研究の開始時点に於いては計算機による記号計算によりオペレータを記号的に求めてそれを計算機上のプログラムに変換するというアプローチを考えていたが本研究で記号計算を経ずに常微分方程式の数値解法を用いる方法が発見された。これにより、非常に汎用性の高いプログラムライブラリが可能となるので、楠岡近似の実用化については決定的な成果であると考えられる。更にこの方法は、高次元正規分布とBernoulli列によって実現されるのでquasi-Monte Carlo法が自然に適用可能である為、2.も同時に解決している。3.については、この新しいアルゴリズムをファイナンスの問題に適用し、800倍という驚異的な高速化を実現した。
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