研究概要 |
A=【symmetry】^c_<i=0A_i0次元ゴレンスタイン代数とし,×A→End(A)を正則表現とする.z∈Aを一次式とする.ベキ零行列×z∈End(V)は,ブロックサイズ{f_1,…,f_x}のJordan標準形に分解するものとする. このとき,U_i=0 : z^<f_i-1>+(z)/0 : z^<f_i>+(z)を(A,Z)のith central simple moduleという.このとき次の定理が成り立つ. 定理(1)それぞれのU_iは,対称的なHilbert関数を持っ.(2)各々のU_iが強いLefschetz条件をもてば,A自身が強いLeschtz条件を持つ. この定理が本研究で得られたもっとも大きな定理であり,さまざまの応用をもつ. 上記の定理で,「ゴレンスタイン環」という条件を除き,その代わりに,新たに2つの条件(1)AのHilbert関数が対称的であること,と(2)central simple moduleのHilbert関数が対称的であることを加えても同じ結論がえられる. 上記の定理を使えば,たとえば,連続した番号を持つベキ和が生成するイデアルが定義する完全交差アルティン環は,強いLefschetz性をもつことを証明することできる.また,.A_<n-1>B_nD_n型のワイル群による余不変式部分環が,強いLefschetz条件をもつことを,Hard Lefschetz Theoremを経由しなくても,直接示すことができる. 完全交差環A=K[x_1,x_2,…,x_n]/(x^d,…,x^d)において,L=x_1+…+x_nとおく.このとき,(A,L)のcentral simple module U_iは,S_k-加群である.n=2のとき,U_iは,i-1次のSpecht多項式によって生成される.また,d=2のときは,U_iは1次元である.いずれの場合も既約S_d既約加群である.このことと,五の強いLefschetz性を利用して,AのS_n加群としての,既約分解をもとめることができる.
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