研究分担者 |
相原 義弘 沼津工業高等専門学校, 教授 (60175718)
仲田 正躬 山形大学, 理学部, 教授 (20007173)
河村 新蔵 山形大学, 理学部, 教授 (50007176)
佐藤 圓治 (佐藤 圓冶) 山形大学, 理学部, 教授 (80107177)
水原 昂廣 山形大学, 理学部, 教授 (80006577)
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研究概要 |
平成15年度から平成17年度における本研究の代表者と各分担者の研究役割と研究成果は次の通りである.有理形写像の値分布論の立場から,代表者の森は,本課題である有理形写像の除外値と例外写像の定量的研究において,除外値をもつ写像の希少性について継統して研究してきた.ネヴァンリナ除外値の消去の問題に関し,複素射影空間への任意の超越的有理形写像あるいは正則曲線は,少し変形することにより除外値を全く持たない写像に変形できることを証明してきた.また,有理形写像全体の空間にある距離を導入することにより、除外値を全く持たない写像が超越的有理形写像の空間で稠密であることも示した.一方で。分担者の相原との共同研究で除外因子を持つ複素射影空間に値を持つ有理形写像の構成の研究を行い,任意の効果的因子に対してその因子より定まるある範囲にある1より小さい任意の実数を除外指数に持つ代数的に非退化な有理形写像が常に構成できることを示し、除外指数の大きさの評価も与えた.これを用いてグリフィスの除外関係式が正規交差でない特異点を持つ因子の場合には成立しない例を構成した.更に特異点を解消した場合について考察し,その場合は除外関係式が成立することを示した.さらに、今回は有理形関数の一意性定理についても研究した.これまで一意性集合の研究はあるが、一意性領域の研究はあまり無いように思われる.複素領域に非有界集合や可算無限個の領域を与え、そこに制限した条件から一意性定理を導くということについて現在構想中である.林、藤解氏との共同研究で複素平面での有理形関数の角領域での条件から一意性定理を導き現在ある数学雑誌に投稿中である.分担者の相原は,私との上の共同研究のほかに、有理形写像が因子の逆像に関する条件下で代数的に従属するための様々な十分条件を研究し、2つの複素ユークリッド空間上の解析的分岐被覆空間が一致するような条件を与えた.これは代数型関数の一意性定理の幾何学的拡張である.その他の分担者について.仲田はブラシュケ積の類似で表される有理関数の複素力学系について考察を行った.とくに、そのジュリア集合のユークリッド合同変換のもとでの不変性やハウスドルフ次元の評価など、幾何的・解析酌性質に関する研究を中心に行った.関川は,平面に作用するメビウス変換のなす列の収束集合と極限関数に関する結果,および一般次元のメビウス変換に対する対応する結果を検討し,メビウス変換のクリフォード行列を用いた表現の応用について研究中である.河村は,カオス学系における確率密度関数の軌道について研究し,一般化されたテント写像群における位相共役写像の性質をコンピュータにより実験し理論として証明を与えた.一方,関数空間や測度論の観点から,佐藤は,ヤコーピ直交関数系に関する関数空間上の作用素とハンケル変換上の作用素との関係について、その一般化やLorentz空間上の作用素について研究し,また単位円上のHausdorff-Youngの不等式についてLorentz-Zygmundの空間の場合に研究した.水原は,一般化Morrey空間の関数と一般化BlockおよびCalderon-Zygmund作用素に関連した分解定理を示した.さらに,その応用としてCalderor-Zygmund作用素との交換子の一般化Morrey空間上の有界性について,局所可積分関致がBMO関数であることが必要であることの別証明を与えた.
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