研究課題/領域番号 |
15540178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 兵庫県立大学 (2004-2006) 姫路工業大学 (2003) |
研究代表者 |
楳田 登美男 兵庫県立大学, 大学院物質理学研究科, 教授 (20160319)
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研究分担者 |
岩崎 千里 兵庫県立大学, 大学院物質理学研究科, 教授 (30028261)
保城 寿彦 兵庫県立大学, 大学院物質理学研究科, 教授 (40211544)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 相対論的シュレディンガー作用素 / 一般固有関数 / 擬微分作用素 |
研究概要 |
空間3次元の場合に、自由相対論的シュレディンガー作用素のレゾルベント核が特異性の強いリース・ポテンシャルとマイナス・ラプラシアンのレゾルベント核、および性質の良い積分核の3つから成り立っていることを示した。道具立てとして必要な、リース・ポテンシャルに関する新しい不等式を導くことに成功した。極限吸収原理に基づいて導入される関数が相対論的シュレディンガー作用素の一般固有関数になっていることを証明した。その際に避けて通れない問題であるところの、マイナス・ラプラシアンの平方根の超関数への作用を3次元のみならず、一般の空間次元で解明することに成功した。相対論的シュレディンガー作用素の一般固有関数が平面波からどの程度ずれているかを表す関数に対して、ゾンマーフェルドの放射条件が成り立つことについても一般次元で確認した。 相対論的シュレディンガー作用素の一般固有関数の無限遠方での漸近挙動の解析には、空間の次元が奇数であるか、偶数であるかにより、技術的な難しさに大きな違いがあることを解明した。この知見に基づき、空間2次元の場合に、ポテンシャル項のない相対論的シュレディンガー作用素のレゾルベント核を具体的に求めた。その結果、空間3次元の場合と異なり、空間2次元の自由相対論的シュレディンガー作用素のレゾルベント核はリース・ポテンシャルのみならず、ベッセル関数、ノイマン関数、スツルッベ関数を含み、複雑な形をしていることを見出した。 上記の成果と、すでに得られている極限吸収原理の結果を組み合わせた計算により、空間2次元相対論的シュレディンガー作用素の一般固有関数が有界な関数であることの証明に成功した。この結果と上記の結果を再度用いれば、相対論的シュレディンガー作用素の一般固有関数の無限遠方での漸近挙動が平面波と球面波の重ね合わせになっていることの証明が可能となった。さらに、相対論的シュレディンガー作用素の一般固有関数の全体が完全であること、すなわち、相対論的シュレディンガー作用素に対する絶対連続部分空間を張ることの証明も可能となった。
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