研究分担者 |
小池 和彦 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70146306)
伊藤 雅彦 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (30348461)
矢野 公一 青山学院大学, 理工学部, 教授 (60114691)
木村 勇 青山学院大学, 理工学部, 助手 (40082820)
川村 友美 青山学院大学, 理工学部, 助手 (40348462)
伊原 信一郎 青山学院大学, 理工学部, 教授 (30012347)
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研究概要 |
本研究の主題はWhittaker模型と表現の不変量であったが,これらと関連する分野である,可換微分作用素系の対称性について成果が多く得られたのでそれを記す. カロジェロ・モーザー・サザランド模型(以下CMS模型と略記する)と呼ばれる完全可積分系は,ワイル群やリー環の対称性を持ち,そのポテンシャル関数はワイルの壁に沿って逆二乗の特異性を持つ.ここで対称性を一切仮定せず,ポテンシャル関数が超平面に沿った逆二乗型の特異性を持つことと,結合定数の非整数性のみを仮定したとき,どのような完全可積分系が存在しうるかを調べた. その結果,この2つの条件を満たすシュレーディンガー作用素と可換である非自明な微分作用素が存在するなら,後者の主表徴はワイル群または有限コクセター群の対称性を必ず持つことが極めて自然に導かれた.更に,この対称性が古典型ワイル群である場合には,ポテンシャル関数はCMS模型およびその一般化として既に知られているもの以外には存在しないことが証明された. この結果を踏まえ,基本となる2変数の場合を詳細に調べた結果,ポテンシャル関数の満たすべき線形関係を得,更に交換子の階数が特異直線の本数以上でなければならないことを示した. 次に,特異直線の本数が少ない場合を個々に調べた.まず,特異直線の本数が3本(A_2型の変形)の時には,結合定数が1の場合を除いては,CMS模型の変形は不可能であることが証明された.4本(B_2型の変形)の場合には,特異性の配置にはある種の対称性があることが確かめられた.またこの場合,全ての結合定数が1ではない場合についても,新しい可換微分作用素対を構成した. 以上の研究以外にも,例外型可換系の研究のために,F_4型ワイル群不変式の初等的構成に関する研究も行った.
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