研究分担者 |
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
松本 和一郎 龍谷大学, 理工学部, 教授 (40093314)
岡 宏枝 (國府 宏枝 / 岡 宏枝(國府 宏枝)) 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20215221)
二宮 広和 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (90251610)
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80174548)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
研究課題に対する第1の研究成果は,数理生態学にあらわれるcross-diffusion方程式の極限方程式が,従来知られているものと全く別のタイプの特異解をもち,解の全体構造は非常に豊かであることを論文Lou-Ni-Yotsutani[DCDS 2004]として発表したことである. この極限方程式は未知の定積分項を含む非局所非線形境界値問題であり,従来全く解析の手段が分からなかったものである.LouおよびNiとの共同研究で2001年ごろ,現代的偏微分方程式論の手法に加えて,その弱点なる部分を克服するため新しい解析方法に気づきはじめ,さらに,方法を深めて,解の全体構造とその背後にある基本的な原理を明らかにした. 解全体を適当なパラメータ空間で表示して,解の分岐構造を理解するために,完全楕円積分の合成,有理関数からなる超越方程式に帰着し,それをじっくり調べるという方法である. この方法に基づき計算を進めていく際,Maple等の数式処理ソフトの強力な厳密な計算能力を援用し,古典的な解析学・代数学の理論・手法を積極的に取り入れていく.計算は膨大にはなるが,従来は部分的にしか解構造を調べることができないと考えられてきた問題に対しても,解の全体構造をしることができるものである.上記の論文で得られた新しい手法はさまざまの分野にあらわれる未解決の非局所問題の解析,解の大域的分岐構造の解明に有効であることを確認した. まず,流体力学者Oseen(オセーン)が1927年に発表した2次元ナビエ・ストークス方程式の厳密解の分岐理論的な完全理解を論文Ikeda-Kondo-Okamoto-Yotsutani[CPAA 2003]で示した.さらに,松本・村井と共同で,曲線に関する微分幾何学のひとつの未解決問題に解答を与えた.解答の全容をMatsumoto-Murai-Yotsutani[Pisa,2005]で報告し,論文を作成中である. 研究課題に対する第2の研究成果は,小杉・森田と2件の共著論文Kosugi-Morita-Yotsutani[CPAA 2005,J.Math.Phy.2005]で,超伝導現象を記述するGinzburg-Landau equationの,1次元・周期境界条件のもとでの,定常解の大域的分岐構造を完全に解明したことである.
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