研究課題/領域番号 |
15540234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
菅井 肇 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50291422)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2004年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 面分光 / 可視光装置 / 多瞳分光 / 空間サンプリング / すばる望遠鏡 / ライナー / 超巨大ブラックホール / 銀河風 |
研究概要 |
開発した京都三次元分光器第2号機(3DII)という多機能可視光観測装置を、マウナケア山頂のすばる8メートル望遠鏡に搭載し、ファーストライトを得ることに成功した。本研究では、とくにこの装置の面分光機能に着目し、それによってライナー研究に新しい手法を導入することを目的とした。ライナーとは、超巨大ブラックホールをエネルギー源とする活動銀河中心核と似た、ただしより穏やかな活動であり、非常に多くの銀河中心核が示す活動だ。輝線領域は小さく微光であるために、その空間分布はつい最近まで、ほんの少数の例外的に大きく広がった明るいものについて調べられていただけだった。3DIIの面分光機能を用いることにより、ライナー輝線領域のガスの運動状態や輝線比も含めた空間分布を明らかにすること、そして、エネルギー源の謎を解明することを狙った。観測条件に合わせ、比較的粗い空間サンプリングでその分広い視野も選択できるような改良も施した。 すばる望遠鏡の共同利用時間に観測時間を申請し、実際に多数ライナーの観測を行った。3DIIでの観測成果を発表したものとして、NGC1052というライナー天体について、銀河中心に存在する超巨大ブラックホールから吹き出る若い銀河風ガスを鮮明にとらえたものがある。外部に残っているガスとの相互作用や銀河風の内部構造までもが明らかになり、超巨大ブラックホールに伴う銀河風の起源に迫るものとなっている。ライナーに面分光観測を適用することの有効性が示された。他のライナー天体についても非常に興味深い結果が得られており、多数のライナー天体の面分光結果を統計的な観点からみた議論をまとめつつある。また、これらライナー研究の成果と3DIIの優れた能力を内外にアピールするために、論文出版以外にも、学会発表や国際研究会での発表を積極的に行った。英国ダーラムでの面分光研究会においては科学組織委員も依頼され務めた。
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