研究課題
基盤研究(C)
本研究課題では、銀河系や局部銀河群にある銀河の形成と進化を、観測データの解析と理論計算の両面から総合的に検討することを主題としている。この研究背景としては、詳細な観測データが比較的充実している我々の銀河系や局部銀河群のもうひとつの明るい銀河であるM31に代表される円盤銀河が、どのようにして形成され現在見られるような構造に至ったかを明らかにすることが、一般の円盤銀河の形成と進化を解明する上で重要な鍵を握っているからである。特に近年は、すばる望遠鏡に代表される大型望遠鏡やスローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)などの専用望遠鏡などによって、銀河系やM31などの恒星系に関する高質で多量の観測情報が得られるので、これらの望遠鏡を用いた銀河系・局部銀河群の銀河研究を、組織化した研究体制で取り組んでいる。本研究では、特に銀河系の伴銀河であるマゼラン雲やM31に付随するG1と呼ばれる星団の力学進化計算を基にして、銀河系やM31における銀河形成過程の物理を引き出す試みを行なった。これらの計算から、伴銀河とそのホスト銀河との物理的関連が明らかとなり、銀河形成を考える上でその伴銀河の形成と進化が大変重要であることがわかった。また、銀河系において最も質量の重い球状星団である、オメガセンタウリの力学進化を計算し、この母銀河の性質に対して重要な制限が得られた。この研究から、球状星団の起源に関する新しい知見が得られた。さらに、銀河系などの一般銀河を取り巻くように暗黒物質が広く分布していることが知られているが、これがどのような大局的分布をしていてさらにどのような微細構造を持っているかが近年注目されている。さらに、暗黒物質の微細構造が銀河形成とどのような関係があるかも重要である。このような観点から、我々は重力レンズ現象に基づいて、レンズを起こす銀河の暗黒物質構造に対して新しい制限を与えることができた。
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