研究課題/領域番号 |
15540263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
木舟 正 信州大学, 工学部, 教授 (40011621)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 超高エネルギーガンマ線天文学 / 宇宙の比熱的現象 / 宇宙背景放射 / 電子陽電子対生成 / 宇宙線の起源 / 粒子加速 / 高エネルギガンマ線源 / 解像型空気チェレンコフ望遠鏡 / 解像型空気チェレンコフガンマ線望遠鏡 / 超高エネルギーガンマ線源 / 宇宙の非熱的現象 / ガンマ線による電子陽電子対生 / ガンマ線による電子陽電子対生成 |
研究概要 |
1.10^<15>電子ボルト以上のガンマ線は宇宙背景放射の光子と衝突して多数の電子・ガンマ線を生成しカスケード過程を引き起こす。その結果として二次的に生成される10TeV領域のガンマ線フラックスの増大量を計算した。増大量はスペクトルが非常に硬いとき(ベキα=-2)のときに3倍程度であるが、通常の超高エネルギーガンマ線天体がもつα=-2.5のときは検出不可能なほど小さい。すなわち、10TeV領域のスペクトル観測だけから、「宇宙カスケード」の効果について断定的な結論を得ることは困難である。 2.二次的に生成される超高エネルギー電子は、顕著で検出可能な効果を引き起こす。すなわち、ガンマ線のエネルギースペクトルが10^<20>電子ボルトまで延びているとき、シンクロトロン放射のガンマ線がGeV領域などに放射される可能性がある。特に、トムソン散乱からコンプトン散乱への移行、すなわちトムソン散乱断面積からKlein-仁科断面積への変化によってひき起こされるエネルギースペクトルの曲がりが期待され、現象を特定するために利用できる可能性がある。ただし、銀河間空間での磁場の強さに強く依存するので、多面からの今後の詳細な検討・考察が必要である。 3.宇宙空間での磁場の乱れは、超高エネルギーガンマ線の観測スペクトルに影響を与え、同一電子によるシンクロトロン放射と逆コンプトン効果の比較に無視できない効果を与える。個々の天体について、従来から行われている解析処方・解釈に詳細な検討・考察を加える必要がある。 4.超高エネルギーガンマ線の観測を100TeV以上の領域、及び、赤方偏移zが0.1よりはるかに大きい遠方まで拡大する必要がある。提案されている諸計画、大口径望遠鏡あるいは非常に多数の望遠鏡による観測、に加えて、1sr程度の大視野をもつ望遠鏡の建設計画が推進されることが望ましい。
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