研究課題
基盤研究(C)
この研究は、平成11〜14年度の科学研究費補助金(基盤研究(C)(2))による研究「光円錐上でのハドロンの模型」(課題番号11640258)に続くもので、単純な真空を与える光円錐上での場の理論の定式化において、通常の定式化では真空の構造に関係するカイラル対称性の自発的破れがどのように記述され、有効模型にどのように反映されるかを明らかにすることを目的とした。通常の定式化では、カイラル対称性の自発的破れによって出現する質量0の南部・ゴールドストーン(NG)粒子は、対称変換の生成演算子を長波長で局所的に変調することによって得られ、対称性との関係が明らかであったが、光円錐上での定式化では、この関係が明らかでなかった。我々は光円錐座標特有の運動学を考慮し、生成演算子の非局所的変調を導入することにより、この関係を明確にした。具体的な考察は、QCDの有効理論と考えられている南部・ジョナーラジニオ(NJL)模型で行った。結果はPhysical Review誌に発表されている。一方有効模型については、以前からの共同研究の継続として、NJL模型での3クォーク系に対する相対論的ファデエフ理論から導かれた核子のクォーク・ダイクォーク模型により、核媒質が核子の構造関数にどのような影響を与えるかを調べ、実験的に観測されているEMC効果と比較して、満足すべき結果を得た。この研究はNuclear Physics誌に発表されている。
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素粒子論研究 112巻6号
ページ: 42-46
素粒子論研究 112巻6号(出版予定)
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