研究課題/領域番号 |
15540312
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
高橋 聡 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80212009)
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研究分担者 |
相原 正樹 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (70091163)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | スピンと電荷の自由度の分離 / 低次元強相関電子系 / ダイナミックス / 過渡的4光波混合 / 電荷の結合効果 / エキシトン / 電荷凝集機構 / 光生成された電荷の凝集 / 超高速ダイナミックス |
研究概要 |
低次元強相関電子系を特徴づける中心的概念として、スピンと電荷の自由度の分離が提唱されている。光は電荷自由度とのみ直接結合するため、光励起状態の高速ダイナミックスにおいては、スピンの運動は電荷とスピン自由度の結合を通じて間接的に誘起される。それゆえ、光励起状態の高速ダイナミックスは、電荷とスピン自由度の結合の様相を研究するには最適の舞台であると考えることができる。 そこで、低次元強相関電子系における電荷とスピン自由度の結合の様相を超高速ダイナミックスの研究を通じて理論的に明らかにすること、さらに、ここで得られた知見を基に、低次元強相関電子系の興味深い光学的性質の解明すること、を目標として本研究を行い、以下の成果が得られた。超高速ダイナミックスが実験的に観測可能である過渡的4光波混合に注目し、過渡的4光波混合の信号強度は、電荷およびスピン自由度の緩和に極めて敏感に反応し、1、2次元系における、電荷とスピン自由度の結合の様相の違いが過渡的4光波混合から浮き彫りとなることを明らかにした。光生成された正負の電荷(ホロンおよびダブロン)が強く結合し、このホロンとダブロンのクラスターが強い反強磁性磁気秩序と共存している、ホロン・ダブロン・クラスター状態が多光子励起により生成されることを見出した。ホロン・ダブロン・クラスター状態は、2次元系においては直接クーロン相互作用だけではなくクラスターのまわりのスピン間相互作用によっても安定化されるという特異な電荷凝集機構をもっており、この凝集機構は2次元系に特有な電荷とスピン自由度の結合に由来することを明らかにした。光吸収スペクトルにおける1次元系と2次元系の本質的な違いはスピンと電荷自由度の結合の違いから生じており、これは4光波混合によるダイナミックスの解析により実験的に検証可能となることを明らかにした。
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