研究課題/領域番号 |
15540318
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
藤井 淳浩 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 教授 (30034375)
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研究分担者 |
光永 正治 熊本大学, 理学部, 教授 (90332882)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | パラメトリック下方変換 / 2光子励起 / エンタングル状態 / 励起子 / ハロゲン化タリウム / 発光スペクトル / 発光機構 / 発光の時間減衰 / 励起 |
研究概要 |
レーザー光を非線形結晶に入射しパラメトリック下方変換(PDC)を行うと強い量子相関を持った2つの光子が放出される。この双子の光子で結晶を励起するとその励起状態は通常の2光子励起とはかなり異なったものになると予想される。我々はこの実験を強い励起子発光を伴う結晶TlBrを用いて行った。 ・沃素を微量に添加した結晶TlBr(I)の間接励起子領域を波長可変ナノ秒Ti:Sレーザー光(455nm,パルス幅10ns)で1光子励起し緩和過程を調べた。その結果、2Kでは光生成された間接自由励起子は沃素イオンに捕捉され、自己束縛励起子となり、一定の寿命を持った発光を伴って再結合消滅する。4K以上では自由励起子は熱的に不安定になり、自由電子と自由ホールとに分離し、それぞれの捕獲中心に捕捉される。その後これらの束縛電子と束縛ホールはトンネル再結合により自己束縛励起子となり、発光を伴って再結合消滅することが分かった。 ・波長可変ナノ秒Ti:Sレーザーの基本波(800nm,パルス幅10ns)およびパルス幅の非常に短いフェムト秒Ti:Sレーザーの基本波(800nm,パルス幅100fs,繰り返し80MHz)でTlBrの直接励起子の2光子励起を行った。その結果、光生成された直接自由励起子はすぐに間接励起子に緩和し、1光子励起下での緩和と大きな差は見出されなかった。 ・フェムト秒Ti:Sレーザーの2倍波(400nm)でBBO結晶(TypeII)を励起し、縮退パラメトリック変換(PDC)により400nmの波長を持った、もつれ(エンタングル)状態の光子対を発生させた。しかし、現在のところ冷却CCDカメラでやっと検出できる程度に光子数が非常に少なく、TlBr(I)の発光を検出するに到っていない。 ・そこで、1パルスあたりの光強度が大きいナノ秒Ti:Sレーザーの2倍波(400nm)でパラメトリック下方変換(PDC)を行い、もつれ(エンタングル)状態の光子対を発生させた。冷却CCDカメラで測定した結果このPDC光はかなり強いことが分かった。今後、これらの光を励起光源としてT1Br(I)の発光を調べていく。
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