研究課題/領域番号 |
15540322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
大野 宣人 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20194251)
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研究分担者 |
橋本 哲 大阪府立大学, 理学部, 教授 (10027708)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | フッ化物結晶 / フッ化物蛍光体 / 真空紫外光 / 希土類発光中心 / Tl型発光中心 / TI型発光中心 / フッ化物発光材料 / 真空紫外 / 希土類不純物 / Tl型不純物 / 遷移金属不純物 / タリウム型不純物 |
研究概要 |
本研究では、発光中心となる希土類、遷移金属、Tl型不純物を添加したフッ化物の結晶または非晶質試料を作製し、それら試料の真空紫外領域における吸収およびそれに伴う発光の特性を調べることにより、新規フッ化物発光材料の開発の基礎となる知見を得ることを目的とした。 申請研究の初年度である平成15年度では、フッ化物専用結晶作製炉を導入整備し、これを用いていくつかの試料の作製を試み、これらの基本的な光学的評価を行った。第一段階として、フッ化物焼結体試料を、新たに導入した結晶作製炉でもこれまで同様に作製可能かを調べた。これらの作製条件を最適化するために、すでに研究を行っているPrおよびEuを添加したNaGdF_4の焼結体試料を作製してその評価を行った。その結果、これまで得られた実験結果をよく再現し、焼結体試料については、導入した結晶作製電気炉で問題なく行えることを確認した。この結果を基に、TbおよびEuを添加したNaGdF_4の焼結体試料を作製し、分子科学研究所極端紫外光実験施設(シンクロトロン放射光実験施設)において作製した試料についての実験を行った。つぎに、フッ化物の単結晶についてもの作製を試みた。試作した試料は、フッ化物の中でも単純なNaCl型構造をとり融点も低い無添加LiF結晶、および1価のタリウム型不純物であるTlを添加したLiF結晶である。 平成15年度に引き続き、平成16、17年度では導入したフッ化物専用結晶作製炉を整備し、改良を加えながら、これを用いてフッ化物試料の作製を試みた。これらの作製試料について、発光・励起スペクトルおよび時間分解蛍光スペクトル、蛍光減衰曲線の測定による光学的な評価を行った。さらに、新たに3価のTl型不純物であるBiに注目し、Biを添加したNaYF_4,LiYF_4の作製も試みた。主に分子科学研究所極端紫外光実験施設における光学実験の結果、この試料が真空紫外領域においてBiによる強い吸収を示すなど、真空紫外用の発光材料として応用できる可能性を示唆する結果を得た。しかしながら、ハロゲン化アルカリ結晶にTlを不純物として添加するためには原料にTlClなどのハロゲン化物を微量混合するのが一般的であるが、Tlのハロゲン化物は蒸気圧が高いためが原因と思われる結晶育成中に容易に飛散してしまう問題点が残った。
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