研究課題/領域番号 |
15540323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
阿久津 典子 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (40167862)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ステップ・バンチング / 吸着子 / 表面・界面の統計熱力学 / 密度行列繰り込み群 / マクロステップ形成 / ファセット端での1次相転移 / 秩序・無秩序相転移 / 結晶の表面張力 / 微斜面 / 結晶平衡形 / ステップ・スティフネス / 表面・界面の熱力学・統計力学 / ファセット形成 |
研究概要 |
被覆率が1未満の吸着子のある微斜面において、吸着子とステップの熱的相互作用機構を理論的に調べるため、restricted-solid-on-solid(RSOS)-イジング結合(RSOS-IC)模型において転送行列法による統計力学計算を行った。計算は、積波動関数繰り込み群(PWFRG,密度行列繰り込み群(DMRG)法の一種)アルゴリズムを用い、数値的に行った。 本研究による主な成果は以下のとおりである。 1.吸着子間相互作用が引力型の場合 吸着子の化学ポテンシャルを系統的に変えて、微斜面に関する表面自由エネルギー、吸着子被覆率、ステップ自由エネルギー、ステップ張力、ステップ・スティフネスを詳細に求めた。その計算結果と、分子場近似計算、場の理論的計算と比較することにより、吸着子のある微斜面で、熱平衡状態においてステップ・バンチング(または、マクロスチップ形成)が起こることを確立し、サーマル・ステップ・バンチングと名付けた。また、その生成メカニズムには、外場誘導型と揺らぎ誘導型の2種類あることを解明し、Phys.Rev.B誌に発表した。 2.吸着子間相互作用が反発力型の場合 吸着子系は、低温では√2x√2R45の秩序状態になり、高温では1x1の無秩序状態になる。外場誘導を起源とするサーマル・ステップ・バンチングは消失し、吸着子の秩序変数揺らぎによる揺らぎ誘導型のサーマル・ステップ・バンチングが存在することを数値的に示した。相図を求め、秩序-無秩序相転移とサーマル・ステップ・バンチングの関係を明らかにした(投稿準備中)。 3.吸着子とステップの原子スケールでの相互作用が極めて強い場合 表面模型では初めて非単調な温度依存性を示すステップ・スティフネスの存在を示した(投稿準備中)。
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