研究課題/領域番号 |
15540324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | (財)高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
池田 直 , 財団法人・高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門I・動的構造チーム, 主幹研究員 (00222894)
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研究分担者 |
森 茂生 大阪府立大学, 大学院・理学系研究科・物質科学専攻, 助教授 (20251613)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 三角格子 / 電荷フラストレーション / 電荷秩序 / 逐次相転移 / RFe2O4 / YFe2O4 / 電子誘電性 / LuFe2O4 / 混合原子価 / フラストレーション / 強誘電体 |
研究概要 |
二次元三角格子鉄複電荷酸化物、RFe_2O_4において、電荷フラストレーションを起源とした、逐次電荷秩序相転移と、電荷秩序型誘電性に関する研究を行った。本研究ではYFe_2O_4に見いだされた逐次相転移の解明を目的として以下の研究を行った。 1)精密試料合成 YFe_2O_4に見いだされる逐次電荷秩序相転移は、酸素欠損量に著しく依存することが判明した。このため酸素分圧制御可能な電気炉を整備し、酸素分圧10^<-9>〜10^<-11>atm、1200Cでの試料焼成を行い,酸素欠損量を制御した粉末試料を合成した。 2)逐次電荷秩序相転移 上記1により作成した一連の試料について,電子線回折、放射光X線回折実験、誘電率、磁化測定などを行った。これによりYFe_2O_4に見いだされる逐次相転移は、三角格子上に配置された鉄イオン間で第一、第二近接クーロン相互作用が拮抗することが起源となり、デビルステアー型の逐次相転移を示すことが解明されつつある。現在、低温で出現する相の相互関係に対応する、三角格子上の相互作用競合に起源を持ったデビルステア型の相転移モデルの理論構築を行っている。 3)電荷秩序の発生に伴う各種物性の発現の解明。 共鳴X線散乱と焦電気測定の結果と合わせて、RFe_2O_4に発現する誘電性は電荷秩序に起源がある、電子誘電体であることが明らかになった。これは間もなく発表する。 RFe_2O_4では、鉄イオン間の電子揺らぎが誘電分域の揺らぎになっている。このため誘電分散の結晶異方性が存在するが、この異方性と逆格子空間中に見られる特徴的な散漫散乱図形'Fish Born Pattern'の対応関係が明らかになりつつある。この事実は散漫散乱が持つ時間揺らぎ情報と格子歪みの揺らぎ情報の良い一致を示す希有な例となることが判った。現在この事実関係を整理し公表準備中である。 これらの他に、二次元系の相転移現象としての液面上の高分子単分子膜の相転移、トポロジカル結晶の結晶構造解析、遷移金属複電荷酸化物の相転移現象の研究を、主にマンガン系と銅系酸化物について行った
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