研究課題/領域番号 |
15540343
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
吉岡 英生 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (40252225)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 分子性導体 / カーボンナノチューブ / ナノグラファイトリボン / モット絶縁体 / 電荷秩序 / 朝永-ラティンジャー液体 / 一次元電子系 / 金属絶縁体転移 / 充填率1 / 4 / 核磁気共鳴 / 有機導体 / 永久電流 / 電気伝導 / 2 / 朝永-ラッティンジャー液体 / 光電子分光 / スピン励起 |
研究概要 |
1.実験グループとの共同研究で光電子分光を用いてカーボンナノチューブの電子状態密度を直接観測することにより、10Kから室温までの広い温度範囲でこの物質では朝永-ラティンジャー液体状態が実現していることを示した。ジグザグ型ナノグラファイトリボンのフェルミエネルギー近傍の分散関係は通常の金属とは異なり特異なものであることに着目して、電子相関効果について研究をおこない、基底状態はモット絶縁体となること、またジグザグ線の数が偶数の場合にはスピン励起にギャップが開くが、奇数の場合にはスピンギャップがないことを示した。 2.ナイトシフトや核スピン緩和率の分裂が電荷秩序状態の実験的証拠と考えられているが、充填率1/4の場合にはその主張をサポートする理論的研究が行なわれていなかった。本研究では充填率1/4一次元拡張ハバード模型に対して平均場近似からのゆらぎをRPAで取り込んで純粋な電荷秩序状態におけるナイトシフトと核スピン緩和率を計算し、実際上記の主張が正しいことを示した。さらに、核磁気共鳴の実験から見積もられた電荷不均一性は実際の値よりも大きくなるという結果を得た。 3.極最近、ドナーとアニオンの比が不整合となっている物質群、(MDT-TSF)X_n、(MDT-ST)X_n、(MDT-TS)X_n(Xは一価のアニオンであり、n=0.42-0.45)が合成され、その伝導特性や磁気的な性質が測定されている。結果は以下のとおりである。MDT-TSF塩、MDT-ST塩は常圧で金属的な挙動を示し4Kで超伝導体へ転移するが、これらに比べバンド幅が狭い(MDT-TS)(AuI_2)_<0.441>は、常圧において85Kで抵抗極小を示して絶縁化する。また、X線散乱の実験から、これらの物質群ではドナー分子、アニオン分子ともに、それぞれ異なった周期で規則的に配列していることが観測されている。電子の充填率が格子と不整合であるにもかかわらずなぜ金属絶縁体転移がおこるのかを明らかにするため、不整合格子を有する一次元電子系の基底状態を調べた。その結果、アニオンからのポテンシャルを考慮すると、系は有効的に充填率が1/2となり、絶縁体の基底状態を持つことが見出された。さらに、バンド幅を増加させると基底状態は絶縁体から金属状態へ転移する。この結果は上に述べた物質群の金属絶縁体転移を定性的に説明する。
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