研究課題/領域番号 |
15540355
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
胡 暁 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算材料科学研究センター, ディレクター (90238428)
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研究分担者 |
野々村 禎彦 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算材料科学研究センター, 主任研究員 (30280936)
田中 秋広 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算材料科学研究センター, 主任研究員 (10354143)
河野 昌仙 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算材料科学研究センター, 研究員 (40370308)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 超伝導 / 渦 / ジョセフソン効果 / 相図 / コスタリッツ・サウレス相 / 計算機シミュレーション / 3重項クーパー対 / 融解転移 / 三重項クーパー対 / 第2種超伝導 / 磁束量子 / 相転移 / ダイナミクス / KT転移 |
研究概要 |
(1)ジョセフソン磁束量子の熱平衡状態の研究:高圧超伝導体のナノ層状構造が層間ジョセフソン磁束量子に及ぼす強いピン止め効果により、高磁場下に現れる特異なコスリッツ・サウレス相及び逐次連続融解現象を計算機シミュレーションで解明した。また、それより低い磁場においては密度汎関数理論を展開し、磁束量子の集中する半導体層が長距離に亘って1層おきに現れ、層内では短距離的磁束間相関しか持たない、いわゆるsmectic(周期m=2)状態が、YBCO等の物質で安定な熱力学相になること、その際液体-smectic-結晶の変化は2次相転移と1次相転移であること、より低い磁場では1次相転移を通じて結晶から直接液体に融解することを明らかにし、高温超伝導ジョセフソン磁束量子の相図を提案した。これらの結果が大きく注目されており(国際会議招待講演多数)、ヨーロッパ、アメリカ、日本で実験検証が企画されている。ジョセフソン磁束量子状態の理論解明はこれを用いた超高周波量子デバイス開発研究の基礎となる。また類似した現象はDNAを含む高分子系、2次元電子及びヘリウム等の量子系にも現れる可能性があり、物質の新しい状態としてその研究の広がりが期待されている。 (2)傾斜磁場下の磁束量子状態の研究:層状高温超伝導体の超伝導面から有限な角度を持つ方向に磁場を印加した場合の磁束量子状態を調べた。特にYBCOのような適当な大きさの異方性パラメータを持つ物質では、ジョセフソン磁束量子の配列に支配される磁場角度領域とパンケーキ磁束量子の配列に支配される領域間に、不連続相転移が存在することを明らかにした。 (3)Co系超伝導発現及び超伝導電子対の対称性の研究:当機構で二次元三角格子Na_xCoO_2・yH_2Oにおける超伝導が発見されたのを受けて、超伝導発現機構を初期実験データとフェルミ面形状をもとに理論的に研究。特にスピン三重項伝導状態の実現に有利な対称性を有することを最初に見出し注目を集めた。現在、三重項状態であることがほぼ確立している。
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