研究課題
基盤研究(C)
生体機能の研究においては、その機能を司る生体高分子の構造と蛋白質中におけるそれらの配置が明らかにされることが重要なステップとなる。光合成においては光合成を司る蛋白質・色素複合体の立体構造が光合成細菌について初めて明らかにされたのはごく最近に過ぎず、1984年以降のことである。このとき以来、光合成研究は画期的に進んだ。しかし、光合成細菌による光合成は水ではなく硫化水素などを出発物質とし、酸素ガスを排出しない。酸素発生型の光合成を行う高等植物における光合成器官の立体構造の解明が待たれていた。その解明は遂に2001年から次々と成されることになった。しかし、大きな問題が持ち上がった。光合成初期過程を司る器官は反応中心とそれを囲むアンテナ系であるが、反応中心における色素配置は酸素非発生型光合成と発生型光合成において似ているけれど、反応中心を直接に囲むコアアンテナにおける色素配置は両者で非常に異なることが明らかになったからである。両者の光合成は共通の先祖から別れ進化してきたと考えられている。従って、光合成における最も中心的な機能は両者でほぼ共通である筈である。それが構造からは理解できなかったのである。本研究の最も重要な成果は、両者の光合成においてコアアンテナの色素配置は非常に違うけれども、コアアンテナに溜まった色素励起エネルギーを反応中心が捕獲して初期固定する反応の物理メカニズムは両者でほぼ共通であることを明らかにしたことである。この反応こそ光合成初期過程全体を律速する反応であり、それを大きく変えては光合成できない。従って、その反応の機構は両者の光合成で保存されるのである。言い換えれば、光合成初期過程におけるへその反応機構を明らかにしたのである。
すべて 2006 2005 2004 2003 その他
すべて 雑誌論文 (20件) 図書 (3件) 文献書誌 (4件)
J. Photochem. Photobiol. A : Chem. 178
ページ: 271-280
Chem. Phys. 326
ページ: 221-229
J.Photochem.Photobiol.A : Chem. 178
Chem.Phys. 326
J.Photochem.Photobiol.A, Chem 178
Chem.Phys. (In press)
Sci.Tech.Adv.Materials (In press)
Chem. Phys. Lett. 401
ページ: 122-129
Chem.Phys.Lett. 401
Photosynthesis : Fundamental Aspects to Global Perspectives (edited by A.van der Est, D.Bruce) (International Society of Photosynthesis)
ページ: 329-331
Chemical Physics Letters 401
J. Phys. Chem. B 108
ページ: 11702-11801
J.Phys.Chem. B 108
Journal Physical Chemistry B 108・31
ページ: 11792-11801
Chem. Phys. Lett. 368
ページ: 547-554
J. Chem. Phys. 118
ページ: 8315-8320
J. Am. Chem. Soc. 125
ページ: 9668-9681
Chem.Phys.Lett. 368
J.Chem.Phys. 118
J.Am.Chem.Soc. 125