研究課題/領域番号 |
15540394
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理・化学物理
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小松崎 民樹 (小松 民樹) 神戸大学, 理学部, 助教授 (30270549)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 化学反応ダイナミックス / 法双曲的不変多様体 / カオス力学系 / 相空間幾何学 / 標準形理論 / 遷移状態 / たんぱく質ダイナミックス / 多遷移過程 / 次元縮約性とエネルギー地形 / 相空間の幾何学 / ダイナミックスの階層性 |
研究概要 |
高次元相空間構造における法双曲的不変多様体(NHIM)などから構成される不変集合の性質に立脚して化学反応ダイナミックスにおける統計性と選択性の起源を明らかにし、局所平衡に依拠しない化学反応動力学理論を確立することに成功した。具体的には以下のことを実施した。(1)HCNの異性化反応、O(^1D)+N_2O→NO+NOを取り上げて、多谷ポテンシャルエネルギー地形上を複数のサドルを遷移する多遷移ダイナミックスにおける相空間反応経路や短寿命反応経路における2つのNO分子間の高速エネルギー交換メカニズムを解明した。(2)活性化障壁よりも高いエネルギー領域においてNHIMの熱浴自由度間の共鳴がNHIMの構造安定性に与える影響を解析し、反応選択性が消失する力学原理を解明した。(3)非共線型H_2+H→H+H_2異性化反応を取り上げ、多自由度系における遷移状態の分岐、遷移状態の同定可能性を考察した。 1分子計測の時系列情報から、背後に潜む生体分子系の動態構造、多次元エネルギー地形を抽出するための時系列解析理論の開発を行った。(1)局所平衡仮定に依拠しない計算力学(Computational Mechanics)およびWavelet多重分割に基づく時系列解析理論を開発し、時系列情報のみから背後に存在する状態遷移ネットワーク構造を抽出し、そのトポロジー的性質ならびに分子記憶を考察するための包括的なダイナミックス基盤を構築した。(2)局所平衡を仮定し、時系列情報のみから準安定状態を規定し、その状態間距離を定義し、多次元配位空間における自由エネルギー地形を推定する方法論を考案した。その結果、状態を観測時間の関数として定義し、1分子時系列情報から階層的なエネルギー地形を抽出することなどが新規に可能になることが判明した。
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