研究課題/領域番号 |
15540402
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 慎一 東京大学, 地震研究所, 助手 (00251455)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | マグマの貫入 / ダイクの移動 / 三宅島 / 噴火 / 地震活動 / ダイク |
研究概要 |
2000年三宅島噴火の際に三宅島周辺域では、大規模な群発地震活動が発生した。三宅島直下で始まった地震が北西海域へと移動し、M6級の地震が発生するなどの活発な状態が約2ヶ月間も続いた。この群発地震活動の間に、三宅島山頂が陥没しカルデラが生成され、三宅島の収縮が、GPS観測や重力測、電磁気観測などから示された。地震活動が収まってからは、大量の火山ガスを放出し始め、現在もその活動は続いている。三宅島とその周辺で起きたこれらの現象は、三宅島直下にたまっていたマグマが上昇せずに海底下へ移動したことが原因と推定されているが、それを理解するために繰り返して海底地震観測を続け、大量のデータを得た。解析は継続中であるが、これまでに多くの結果が得られた。 三宅島-神津島間の海域だけでなく、利島・新島・式根島・御蔵島などで、M6級の地震5個を含む10万個強の地震が観測され、自己浮上型やブイテレメータ方式の海底地震計のデータを加えて、高精度震源分布を求めた。三宅島-神津島間では、北西-南東の線状分布が見られ、深部(5〜15km)では、厚さ約1kmの薄板状になっている。この板状の分布には疎密が見られ、空間的に密な分布域では、時間的に集中した活動によって形成された場合が多い。全体の分布は北西-南東方向であるが、ひとつひとつのバースト活動は、全体の分布と必ずしも一致せず斜交する方向を示すものもある。満遍なく地震が発生する時期や、地震のあまり発生しない領域が存在する時期もあるなど、時期によって発生領域に差がある。活動の後期には、これまでの活動域の縁辺部で地震が発生するようになり、中央部の低活動域が広がっている。特に活動初期には、深部から浅部への震源の移動が周期的に見られ、それらの活動はそれ以前の活動域のすぐ脇で発生し、活動域が徐々に広がる様子が見られた。これらの活動は、地下深部からの間欠的なマグマの貫入を具体的に表わしていることが明らかになった。 このような地震活動の多様性とマグマの貫入の推移に関してまとめた。
|