研究課題/領域番号 |
15540426
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤本 正樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30242811)
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研究分担者 |
篠原 育 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙科学情報解析センタ, 助教授 (20301723)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ケルビン・ヘルムホルツ渦 / 電子慣性効果 / スケール問結合 / プラズマ輸送 / 渦 / ケルビン・ヘルムホルツ不安定 / 電磁流体力学 / 数値計算 / 3次元MHDシミュレーション |
研究概要 |
速度勾配層である磁気圏境界をまたいだプラズマ輸送を理解するため、MHDスケールのケルビン・ヘルムホルツ(KH)渦を、電子慣性を含む二流体方程式系で数値実験した。計算は2次元であり、計算面内に磁場成分がある場合を解析した。 磁場張力が弱く大きな渦が非線形的に巻き上がる場合、巻き上がった渦の内部で磁力線が折り畳まれ、そこで磁気リコネクションが発生することがわかった。このプロセスは、従来の扱いでは電気抵抗を入れたMHD計算で記述されていたのであるが、本研究では、MHDスケールダイナミクス(渦)と薄い電流層中での電子慣性効果との「スケール間結合」という視点から初めて実証したことになる。 一方、磁気張力が強い場合については、速度勾配層を隔てて面内磁場が(1)極性を変えない、(2)極性を変える(反平行である)、の2ケースで全く様相が異なることがわかった。 (1)磁場成分が符号を変えない場合、速度シアーの効果は弱いので磁力線をわずかに曲げるだけであり、速度勾配を鈍らせる以上の効果は現れない。 (2)磁場成分の符号が反転する場合、ケルビン・ヘルムホルツ不安定成長の最初の段階(渦として巻き上がる以前の段階)で、電流層の一部に向かい合う流れが集中し、薄くなる部分ができる。すると、そこで磁気リコネクションが発生し、今度は逆に、それによって作られたジェットが渦流を助長するセンスに働いて結果として大きな渦へと発展する。しかも、その内部には速度勾配層をまたがって混合したプラズマで満たされている、つまり、大きな混合領域が形成される。 さらに面白いことに、渦合体まで考えれば「磁場が強く、かつ、反平行」という場合が、大きなプラズマ混合にとって最適であることがわかった。
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