研究課題/領域番号 |
15540467
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
プラズマ科学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中嶋 洋輔 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (00188939)
|
研究分担者 |
吉川 正志 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (00272138)
庄司 主 自然科学研究機構, 核融合科学研究所, 助手 (00280602)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | タンデムミラー / 中性水素原子分子 / Hα線輻射計測 / 非軸対称構造 / モンテカルロシミュレーション / DEGASコード |
研究概要 |
本研究の目的は、タンデムミラー方プラズマ閉じ込め装置「ガンマ10」の極小磁場部であるアンカー部及びそこから単純ミラー磁場へつながる変換部(トランジション部)における水素バルマーα線(Hα線)の輻射測定、および中性粒子輸送シミュレーションを行ない、同部に閉じ込められている非軸対称構造をもつプラズマ中の中性粒子の密度・温度プロファイルを求めることにより、この複雑な磁場構造を持つプラズマにおける粒子輸送のメカニズムについての知見を得ることである。 本研究課題がスタートした昨年度において、新たに2次元Hα計測システムを設計・構築し標準光源を用いた絶対感度較正実験を行い、性能評価を行った。また、これと並行して3次元化したモンテカルロ輸送シミュレーションコード(DEGAS Ver.63)をガンマ10アンカー部へ適用し、同部における中性粒子輸送解析を開始した。まず初期的なメッシュモデルを構築し3次元モンテカルロ計算を進めた結果、ミラースロート部とアンカー外側変換部における粒子源が、実験で得られたHα線測定結果を上手く説明出来ることが判った。 今年度、この新計測器をガンマ10東アンカー外側変換部に設置し、同部における楕円形に引き延ばされた非軸対称プラズマからのHα発光の詳細計測に初めて成功した。その結果、楕円状プラズマの短軸方向のHα線強度分布は極めてピーキングした形状を呈するのに対し、磁力線に沿った方向の強度分布は、非常に平坦なプロファイルを示した。このことを解釈するために、アンカー部からその外側のプラグバリア部にわたるDEGASメッシュモデルを新たに構築し、近傍にある可動リミターからのリサイクリング粒子源を考慮したシミュレーションを行った。その結果、実測で得られた空間分布は、DEGASによるシミュレーションで、上手く再現することが出来た。また、昨年度作成したアンカー部単独のメッシュモデルをセントラル部と統合するようにモデルを改良することによって、より効率的な計算を可能とし、両部の結合領域における詳細な解析に成功した。以上の結果から、同部における複雑なプラズマ及び真空容器壁の3次元構造が、中性粒子輸送に強く影響を及ぼしていることが明らかになった。
|