研究課題/領域番号 |
15550001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田地川 浩人 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10207045)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 反応動力学 / クラスター場 / S_N2反応 / 機能分子設計 / 材料開発 / 反応設計 / 分子動力学 / 溶媒効果 |
研究概要 |
本研究では、ポテンシャル面を解析関数にフイッティングする事無しに、各時間で全エネルギーおよび全原子核上のエネルギー勾配を計算しながら、反応軌跡を時間発展する方法(ダイレクト・アブイニシオ・ダイナミックス法)の開発およびその反応系への応用を目的とし、以下の研究を遂行した。特に本年度は「クラスターのイオン化ダイナミックス、および電子捕捉ダイナミックス」および「S_N2反応へのクラスター場(溶媒分子)の効果」について研究し、その反応メカニズムの解明、および、今後の実験計画の指針となるモデルの構築を行った。具体的な研究成果を以下に示す。 ●クラスターの光イオン化(および電子付加)ダイナミックスの実時間追尾 水クラスターのイオン化過程および電子捕捉過程を、ダイレクト・アブイニシオ・ダイナミックス法により理論的に研究し、1)反応チャンネルを支配している因子の解明、および、2)これらの反応チャンネルを制御する方法の開発を解明した。特に、水のイオン化の初期過程では、イオン化された1つの水価カチオンのプロトンが隣接する水分子に引き抜かれて、水酸気基イオンになり、その後、周りの水分子の再配向が起こることを明らかにした。水クラスターの電子捕捉過程では、表面状態溶媒和から、内部へ徐々に捕捉されていく過程が存在することを明らかにした。 ●S_N2反応へのクラスター場(溶媒分子)の効果 S_N2反応(OH-+CH_3Cl)への溶媒効果を理論的に研究した。この反応の生成チャンネルとして、3体解離(CH_3OH+Cl^-+H_2O)、ハロゲンの水和(Cl^--H_2O+CH_3OH)、およびCH_3OHの水和の3つの反応チャンネルがあることを明らかにした。さらに、それらの反応チャンネルは、衝突前の水分子の位置により、支配されていることを明らかにした。また、それらのチャンネルの分岐比が衝突エネルギーにより、大きく変化することを理論的に予測した。
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