研究課題
基盤研究(C)
ジオキセタンやエンド型環状過酸化物は一電子酸化あるいは還元によって連鎖的に反応し、一重項酸素や化学発光を与える。本研究では、それらの素材分子のオリゴマーを合成し、光誘起電子移動で駆動する電子リレー反応系の構築を試みた。また、増感剤を用いるそれらの光反応と制御にっいても検討した。ハロゲン、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、アミノ基などの連結官能基を導入したポリメチルナフタレンやジアリールジオキサンの合成と、連結基としてトリヨードベンゼン、エチニルベンゼン、フタル酸、およびそれらの誘導体を用いる、直鎖型、側鎖型、デンドリマー型などの前駆体の合成も試みた。増感酸素化による多元化ペルオキシドの合成も行った。9,10-ジシアノアントラセンやピレンなどの増感剤を用い、上記の多元ペルオキシドの光誘起電子移動反応を行った。その結果、脱酸素化が起こることがわかった。生成物分析の結果、一重項酸素が発生していることがわかった。発生する一重項酸素の収率をその発光強度をもとに定量することを試みたところ70%程度であった。しかしながらそれは再現性のないものであった。最近、その原因が測定機器の設計不良と故障が重なっていたことにあることがわかった。機器の改良と修復を完了し、当初予定していた増感剤や溶媒効果の検討も行っている。
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Tetrahedron Lett. 46(in press)
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