研究課題/領域番号 |
15550033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 長浜バイオ大学 (2004) 京都大学 (2003) |
研究代表者 |
河合 靖 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 助教授 (20240830)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | キラル化合物 / 絶対配置 / X線結晶構造解析 / 異常分散効果 / 光学活性ケトン / 結晶性誘導化試薬 |
研究概要 |
さまざまな光学活性化合物の中で、絶対配置決定法の開発が最も遅れているカルボニル化合物の重原子置換結晶性誘導化試薬の開発を行った。基本骨格はフェニルヒドラジンとし、重原子として塩素原子を、さらに結晶性の向上をねらってニトロ基を導入した化合物を検討した。そして、2-chloro-4,6-dinitrophenylhydrazineが結晶性誘導化試薬として優れていることを見出した。市販のアニリン誘導体からこのhydrazineを合成し、まだ絶対配置が決定されていない光学活性カルボニル化合物の絶対配置の決定を行った。酵母や酵素などの生体触媒を用いてエノンを不斉還元して得られた様々なカルボニル化合物とヒドラジンから酸触媒存在下でヒドラゾンを合成した。カルボニル化合物の中には酸性条件下でラセミ化しやすいものがあるので、最もラセミ化しやすい化合物を用いてラセミ化せずに効率的にヒドラゾンが合成できる反応条件を確立した。また、様々な再結晶溶媒の組み合わせを検討し、結晶構造解析可能な単結晶の作成条件を確立した。 次に、MoおよびCuのKα線を用いて、調製したヒドラゾン単結晶の回折データを収集し、構造解析を行った。絶対構造はFlackパラメータ、R因子法、およびバイフット対の強度比較により決定した。何れの化合物においても良好な回折データが得られ、簡便に様々なカルボニル化合物の絶対配置を決定することができた。 最後にこのヒドラジンの誘導化試薬としての一般性を明らかにするために、テルペン類で市販の光学活性カルボニル化合物であるカルボンやカンファー、フェロモンのモデル化合物として単純なアルキルケトン、さらにはヒドロキシケトンなど構造の異なるカルボニル化合物ついても同様の検討をし、このヒドラジンがさまざまなタイプのカルボニル化合物の重原子置換結晶性誘導化試薬として優れていることを明らかにし、光学活性なカルボニル化合物の簡便な絶対配置決定法の開発に功した。
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