研究課題/領域番号 |
15550041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
持田 邦夫 学習院大学, 理学部, 教授 (20118772)
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研究分担者 |
南条 真佐人 学習院大学, 理学部, 助手 (50302352)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | シリルボレート / ゲルミルボレート / X-線結晶構造解析 / 14族元素置換ケトン / 球核剤 / 光反応 / CIDEP / 3重項励起状態 / 求核剤 / 構造 / 触媒反応 |
研究概要 |
フェニル置換シリルボレート、フェニル置換ゲルミルボレート、トリエチルゲルミルボレートの計7種類の化合物の合成、構造、及び熱・光反応について研究を行なった。 ケイ素及びゲルマニウム置換ボレートの合成は対応するシリルリチウム、ゲルミルリチウムとトリフェニルホウ素を反応させることにより行った。いずれも高収率で目的物が得られた。合成した化合物の同定はいろいろなスペクトルにより行った。最終的にはX-線結晶構造解析装置により構造を確定した。フェニル置換シリルー、ゲルミルボレートに比較し、トリエチルゲルミルボレートは高分子構造をとっていた。この高分子構造はアルコール(メタノール)を加えることにより、二量体へと,変化した。ケイ素及びゲルマニウム置換ボレートは水、アルコールなどプロティックな溶媒中では安定であるが、酸素とは容易に反応し、不安定である。 ケイ素及びゲルマニウム置換ボレートの反応性をアルコールおよびアセトニトリル溶媒中で検討した。有機ハロゲン化物と反応し、ケイ素及びゲルマニウム置換体を生成した。特に酸クロリドとの反応では、対応するケイ素及びゲルマニウム置換ケトンを非常に穏やかな反応条件で、かつ高収率で生成した。一方、炭素-炭素不飽和結合、ケトン、エステル類などとは全く反応せず、原料回収であった。 ケイ素及びゲルマニウム置換ボレートの光反応の研究も行なった。光反応生成物はジシラン(またはジゲルマン)およびヒドロシラン(またはヒドロゲルマン)が得られた。ジシラン(またはジゲルマン)およびヒドロシラン(またはヒドロゲルマン)の生成はラジカルの存在を示唆する。これを明確にするため、ケイ素(またはゲルマニウム)-ホウ素結合の切断をレーザー閃光分解とCIDEPを用いて検討した。その結果、化合物の励起3重項状態からの切断が起き、14族元素中心ラジカルとホウ素アニオンラジカルを生じていることがわかった。
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