研究課題/領域番号 |
15550057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 大同工業大学 |
研究代表者 |
酒井 陽一 大同工業大学, 教養部, 教授 (00126070)
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研究分担者 |
久保 謙哉 国際基督教大学, 教養学部, 準教授 (60214988)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 高励起状態 / 固相ホットアトム化学 / ^<56>Fe(n,γ)^<57>Fe反応 / 非破壊分析 / 原子炉中性子ビーム / インビームメスバウアー分光法 / 平行平板型電子なだれ検出器 / 二硫化鉄 / キャラクタリゼーション / 高励起状態化学種 / in situ観察 / 平行平板型電子雪崩検出器 / 非平衡状態 / 中性子捕獲反応 / インビーム測定 / 発光^<57>Feメスバウアー分光法 / 核変換に伴う化学的後遺効果 / 平行平板電子雪崩検出器 |
研究概要 |
原子核変換にともない生成する高励起状態にある原子の化学の研究はホットアトム化学と呼ばれるが、これまでに多くの研究例がある。固相のホットアトム化学の究極的な目的は、原子核現象が起こった直後にどのような化学的効果が起こっているかを明らかにすることである。しかし、伝統的な固相ホットアトム化学では、原子核変換で生成した放射性核種を含む化学種を化学分析し、その放射化学収率を求めるという手法が用いられるが、化学分析中に収率分布が大きく変化する可能性を否定できない。発光メスバウアー分光法を用いると、固相におけるホットアトム化学を非破壊的in situに追跡できることはよく知られている。さらに発光メスバウアー分光と原子核反応と組み合わせたインビームメスバウアー分光法によれば、核反応のホットアトム効果を非破壊で検出できるという利点をもつ研究ができる。 本研究では、中性子捕獲反応^<56>Fe(n,γ)^<57>Feにおける中性子インビーム^<57>Feメスバウアー分光法を開発し、いくつかの鉄化合物に応用した。鉄化合物としては二硫化鉄をとりあげた。^<57>Feメスバウアーレベルの寿命は100n秒であるので、核反応直後の短いタイムスケールのホットアトム現象にともなう化学効果(結合の解裂、原子価の変化など)が調べられることになる。インビームメスバウアー分光法を中性子施設(原子炉)と組み合わせた実験システムを開発することも、本研究の大きな目的である。メスバウアーシグナルの観測のために平行平板型電子なだれ検出器が改良・作成された。原子炉施設としては、日本原子力研究所の改造3号炉の中性子ビームガイドと即発γ線分析ポートを利用した。ターゲット試料(研究対象試料)としての二硫化鉄FeS_2は、パイライトとマルカサイトの結晶構造の異なる2種があるが、両者に対して中性子インビーム^<57>Feメスバウアースペクトルを測定した。パイライトのメスバウアースペクトルは2組のダブレットを与えた。一方はパイライトとほぼ同じ化学状態、すわわち、鉄(II)低スピン状態に帰属され、もう一方はFe^<3+>である可能性が示された。マルカサイトについても、同様の結果が得られた。中性子捕獲反応のホットアトム効果により、新しい状態が観測されたことを意味しており、中性子インビーム^<57>Feメスバウアー分光法の有用性が示された。
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