研究課題/領域番号 |
15550058
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小林 義男 独立行政法人理化学研究所, 旭応用原子核物理研究室, 先任研究員 (30221245)
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研究分担者 |
佐藤 渉 国立大学法人大阪大学, 理学部, 助手 (90333319)
上野 秀樹 独立行政法人理化学研究所, 旭応用原子核物理研究室, 先任研究員 (50281118)
山田 康洋 東京理科大学, 理学部, 教授 (20251407)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | インビーム・メスバウアー分光 / 固体酸素 / Fe酸化物 / 低温マトリックス単離実験 / 分子軌道計算 / ^<57>Mn / 化学結合 / イオン注入 / インビーム・メスバウアー分光法 / ^<57>Fe / 原子価状態 / 不安定核ビーム / 平行平板電子雪崩型検出器 |
研究概要 |
高励起状態にある金属原子やイオンは、通常の化学反応とは全く異なるexoticな生成物や化学種をもたらすことが期待できる。我々は、短寿命不安定核^<57>Mn(T_<1/2>=1.45分)を用いる「インビーム・メスバウアー分光法」を応用し、KMnO_4中で異常酸化状態Fe(VIII)の[FeO_4]が生成されることを報告した。しかし、この系では、[MnO_4]^-中のMn位置に捕捉された^<57>Mnを起源とするため、結晶中での四面体構造を保持したFe-O化学種であり、低温ガスマトリックス単離実験のように完全孤立系を仮定することは難しい。本研究では、反応性の高い酸素をマトリックスに選び、固体酸素に^<57>Mnを直接注入し、約2分後にβ壊変で生成される^<57>Fe原子のインビーム・メスバウアースペクトルの観測に成功し、新規化学種の同定を行なった。 固体酸素試料は、液体ヘリウムで18Kに冷却されたAl基板に、10^<-4>torrの真空を保持しながらO_2ガスを凝集させることにより得た。注入した^<57>Mnは、理研加速器施設のリングサイクロトロンで加速した^<58>FeをBeターゲットに照射しヽその入射核破砕反応で生成した不安定核をRIPSで電磁気的に分離することで得た。^<57>Mnの注入量と注入エネルギーは、3×10^6コ/秒および20MeV/uである。インビーム・メスバウアースペクトル測定は、18、32、40Kで行なった。 得られたインビーム・メスバウアースペクトルは、4組の四極分裂ピークにより解析した。生成された4つの化学種は、メスバウアーパラメータと分子軌道計算より、Fe(O_2)・FeOと2種類の構造をとる(O_2)Fe(O_2)であると帰属することができた。前者2つは、レーザー蒸発と低温希ガスマトリックス単離法においても生成されているが、後者2つの(O_2)Fe(O_2)は、本研究で初めて確認された化学種である。
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