研究課題/領域番号 |
15550059
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
鈴木 教之 独立行政法人理化学研究所, 化学分析チーム, 先任研究員 (90241231)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 有機金属錯体 / ジルコニウム / チタニウム / ハフニウム / 5員環アルキン / 環状アルキン / シクロペンチン / 5員環 / ブタトリエン / ジルコノセン / シクロヘプチン / パラジウム触媒 / 複核錯体 / チタノセン / ジルコナシクロペンチン |
研究概要 |
小員環の環状アルキン類は、三重結合周りの歪みのため不安定であり、現在までに単離された炭化水素の環状アルキンは、7員環が最も小さい例だった。私は最近、遷移金属であるジルコニウムを環中に含む5員環アルキン錯体の合成と単離、分子構造の決定に成功した。このユニークな構造を有する化合物の分子構造、反応性について検討した結果以下のことを見出した。 1.三重結合に隣接した炭素に置換基を持たない含金属5員環アルキンの簡便な合成方法を見いだし、分子構造を決定することに成功した。その構造は本質的仁置換基のある分子と変わらないが、立体障害が解消された分、むしろ安定な構造を有することがわかった。 2.上記無置換ジルコナシクロペンチン錯体と、遷移金属錯体との反応性を検討したところ、低原子価のジルコノセン錯体と速やかに反応して複核の錯体を生成することを見いだした。この錯体はいわゆるジルコノセン-アルキン錯体の構造を有しており、上記ジルコナシクロペンチンがアルキンとしての反応性を有することを示した。また、支持配位子のない系では低原子価のジルコノセンとの反応により対称な二核ブタトリエン錯体を与えることを見出した。 3.同族元素のチタン、ハフニウムを含む5員環アルキン錯体の合成と分子構造の決定に成功した。 4.ブタトリエン類と、ジルコノセン-エチレン錯体、アルキン錯体との反応により、7員環アルキン錯体が生成することを見出した。遷移金属を含む7員環アルキン化合物は極めて珍しい例であるが、その合成と単離、分子構造の決定に成功した。この錯体は歪んだ7員環構造をとっており、環中の三重結合が金属との相互作用のため金属側に折れ曲がっている。即ち、α-位にアレニリデン基を有する5員環錯体の寄与も含む構造であることが明らかとなった。
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