研究課題/領域番号 |
15550071
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分析化学
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松崎 浩司 山口大学, 工学部, 教授 (50035177)
|
研究分担者 |
遠藤 宣隆 山口大学, 工学部, 助手 (40314819)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | ゲル抽出 / 金属イオン / イオン対 / 分離・濃縮 / 黒鉛炉原子吸光分析法 / 蛍光分析法 / 前処理 / Pre-treatment |
研究概要 |
1.昨年に引き続いて配位子としてクロムアズロールS(CRS)を用いPb(II)との錯陰イオンとゼフィラミンのイオン対のポリビニルメチルエーテル(PVME)ゲルへの抽出について検討した。これまで調べた重金属類と似た傾向を示している。抽出時のpHによる選択的抽出は重金属間では困難であるが、黒鉛炉原子吸光分析法(GFAAS)に選択性があるので、重金属の同時定量が可能となる。この際、ゲルを溶解するDMFは1mlあれば十分なので、100倍の濃縮率が可能であった。 2.この方法では、他の金属特にアルカリ金属塩の影響が少ないので、応用として、市販食塩、試薬食塩、岩塩及び海水中の極微量の金属の定量に応用した。50〜100倍の濃縮により、試料中ppbレベルの金属の定量が可能であった。 3.Te,AsやSbを同様にビスムチオールII錯体として、PVMEゲルへの抽出を試みた。この場合10倍までは濃縮可能であったが、それ以上では良好な回収率は得られなかった。 4.蛍光分析法への前処理への応用として、モーリンとAl及びオキシンとAlの錯体の抽出を検討した。GFAASの場合と同程度の感度で定量は可能であるが、ブランクの値が大きいのと他の共存金属イオンの影響が大であった。またゲルを溶解させるDMFは5ml必要である。このようにこの本抽出法を前処理として使用するには、GFAASへの方が有利であることが判った。 5.上述のように配位子として、CAS以外のものでも金属のゲル抽出は可能であるが、錯体によってPVMEゲルの様態が異なってくる。例えば、エリオクロムブラックT錯体の場合は沈殿が容器に沈殿吸着しにくくなるし、オキシン錯体の場合はDMFへの溶解度が低下する。このように、目下ゲル抽出用の配位子としてはCASが最適である。
|