研究課題/領域番号 |
15550074
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分析化学
|
研究機関 | 九州共立大学 (2005) 九州工業大学 (2003-2004) |
研究代表者 |
吉永 鐵大郎 九州共立大学, 工学部, 教授 (80128123)
|
研究分担者 |
市村 禎二郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50016169)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 過シュウ酸系化学発光剤 / 発光強度増大 / 活性固体(媒体)探索 / 活性固体の特性 / 高感度分析 / 活性固体媒体探索 / 発光強度増強 / 固体媒体探索 |
研究概要 |
I:《化学発光剤の発光強度を高度に増大させる固体媒体の探索》 我々は、「化学発光」の研究の過程で、化学発光剤をある種の固体(媒体)と接触させると化学発光強度が著しく増大することを見出した。そこで、多数の固体(媒体)を探索し幾つかの興味ある固体媒体に関して報告してきた。さらに可能性を探るため、これまで用いてきた「溶媒不溶性の固体(媒体)」のほか、「溶媒可溶性の固体(媒体)」にも着目し種々の実験を行ったところ、発光剤の使用量が微少量なら使用可能な活性固体も少なからずあることを示した。化合物(特に金属塩型結晶)中のNaイオンの数の多いほど化学発光増強効果は増大することを示した(Chem.Lett.2005年3月号).また、Na塩型化合物の陰イオン成分の種類を変えて何度も繰り返し測定したところ、陰イオン成分はカルボニル基を含み、分子サイズの大きいものほど効果が高いことを示した(Chem.Lett.2006年投稿中)。上述の成果を「経験則」と考えると、現在、過シュウ酸系化学発光剤では最高の触媒と考えられているサリチル酸ナトリウム(SS)を超えるものができる筈である。予備実験で合成したものは、確かにSSを上回る発光強度を示したが、純度が不十分なため信頼性にやや疑問があった.本年度は、繰り返し合成実験を行い、DTA-TG, IR測定とMSによる分子量測定などからほぼ予期する分子式のものが得られた。元素分析的には不十分であったが、これを用いるとSSより約3倍高い増強効果を示すことが分かった(投稿予定)。 II:《固体媒体による発光強度増大効果を利用した分析への応用》 これらの成果を利用して、H_2O_2の定量分析を行った。本実験では、カプセルは使用せず、発光剤と酸化剤の2液を別々に混合して発光させた。既知濃度のH_2O_2溶液を多数調製し固体媒体上に滴下し発光強度を測定し検量線を作成した。発光強度と濃度のlog-log plotは良い直線に載った。溶媒の種類、試料滴下量、固体媒体の種類を変えて測定を行った。溶媒はEtOHとMeCNが特に高い発光強度を与えた。不活性固体媒体でも光パワーメータ使用で1.4×10^<-9>mol程度の検出下限界値を得ることができた。活性固体媒体を利用すると最高で2桁程度感度が上昇した。試料量は、100μL→20μL→2μLと低減させても検量線の傾きにあまり変化はなく濃度でplotしても差異はあまりなかった.検出下限界(絶対値mol-unit)は、Lumicounterを利用すると、光パワーメータの10^6倍程度の高感度化が可能であった。
|