研究課題/領域番号 |
15550085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
坪内 彰 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (40272637)
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研究分担者 |
武田 猛 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (40111455)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | シリル転位 / Peterson脱離 / ビニル銅 / シリカート / アレン / エノールシリルエーテル / Brook転位 / アリル化 / アリール銅 / Brook転移 |
研究概要 |
本研究では、C^<sp2>-to-Oシリル転位を利用する有機金属活性種の調製と有機合成への応用について研究を行った。(Z)-γ-トリメチルシリルアリルアルコール類を銅(I)アルコキシドに変換すると1,4-シリル転位によってビニル銅が生成し、これはハロゲン化アリルと反応し置換生成物を与えることを見出した。同様の反応が、様々なγ-シリルアリルアルコキシドや対応するケトンから調製した銅エノラートでも進行することを明らかにした。また、β-トリフェニルシリルシリルアリルアルコール類の銅(I)アルコキシドからでもケイ素原子の1,3転位が進行し、生成したビニル銅は様々なハロゲン化アリルと反応しアリル化生成物を与えた。この様に、アルコキシ基の分子内配位によるケイ素原子の活性化と銅(I)アルコキシドの使用により適応範囲の広いビニル銅種の調製法を確立した。一方、上述の1,3転位をハロゲン化アリルを加えずに行うと、Peterson脱離が進行し、アレンが収率よく生成すること初めて見出した。さらに、トリメチルシリル置換体を用いた反応結果の比較から、ケイ素原子上の置換基が転位のし易さに大きな影響を及ぼすことを明らかにした。さらに、Peterson脱離については、プロトン源が存在しない条件では、DMFを共溶媒に用いることでリチウムアルコキシドからでも進行することを明らかにし、その結果に基づいてα-シリルビニルリチウムとアルデヒドとの反応による一段階で簡便なアレンの合成法を開発した。α-シリルα,β-不飽和ケトンあるいはアシルシランと銅(I)t-ブトキシドとの反応で生じる銅エノラートへのケイ素原子の転位反応も進行することを見出し、引き続くハロゲン化アリルの反応により立体選択的なエノールシリルエーテルの生成を伴う炭素-炭素結合形成反応を開発した。
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