配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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研究概要 |
二重らせんからなるナノヘテロ構造多糖類ネットワークを持つ含水擬固体を,高周波加熱を利用して多糖類水溶液を作製してから冷却し,固体化して作製した.この時,内部に種種のレドックス活性分子を共存させ,中に電極(作用電極,参照電極,対極)を挿入してから固体化した.このような固体中で電気化学測定を初めて可能にした.サイクリックボルタモグラム(CV),および交流インピーダンススペクトロメトリー法により,固体の電導性,電気化学的反応性,分子拡散係数などを算出し,解析を進めた.電気化学的反応や分子拡散は高分子の濃度やレドックス種の構造により異なることが分かったので,レドックス種を介する電荷伝播の機構と関連付けながら解析した. 高分子材料としては,アガロース,カラジーナン,寒天などの材料を用いた.色々な電解質によるイオン伝導を測定した.レドックス分子としては,増感剤となりうる分子(Ru(bpy)_3^<2+>)や触媒分子機能を持つ色々な金属錯体(シアノ錯体,アンミン錯体,プルシアンブルーなどのシアノ金属多核錯体等),メチルビオロゲンの分子拡散などの他,色々な多糖類擬固体中における電解質による伝導性やイオン拡散の基礎的データを蓄積した.小さいイオンによる伝導性や分子拡散は,水溶液中と同じに起こることを明らかにした.交流インピーダンススペクトロメトリー法により,電極での電荷移動抵抗や電気二重層容量は水溶液中より大きいが,多糖類濃度が高いほど電荷移動抵抗が減少するという興味ある事実を明らかにし,議論した.これらを応用し,湿度の光センサを創製した.また,色素増感太陽電池への応用も行ない,有機媒体液体を多糖類により固体化した系で,有機媒体液体系と同等な変換効率を得ることができた.
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