研究課題/領域番号 |
15550108
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子化学
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大石 勉 山口大学, 工学部, 教授 (30091169)
|
研究分担者 |
鬼村 謙二郎 山口大学, 工学部, 助教授 (90284265)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 光学活性ポリマー / 不斉重合 / マレイミド / 光学分割 / 電子移動ラジカル重合 / キラルポリマー / キラル固定相 / HPLC / キラルリガンド / イタコンイミド / 分子認識 / N-置換マレイミド / 有機金属 / 理論計算 |
研究概要 |
環状イミドモノマーであるN-置換マレイミド(RMI)およびN-置換イタコンイミド(RII)の不斉アニオン重合をキラルリガンド/有機金属錯体を開始剤に用いて行い、その不斉重合性と旋光性を明らかにし、またそれらのポリマーの光学分割能を明らかにした。RMIの精密不斉ラジカル重合を行い、リビングラジカル重合性、立体特異性ラジカル重合性を明らかにした。以下にその概要を示す。 1.RMIの不斉ラジカル重合及び原子移動ラジカル重合(ATRP):N-1-フェニルエチルマレイミド、N-1-ナフチルマレイミド、N-フェニルマレイミドのATRPを行なった。キラルなリガンドを用いると光学活性マレイミドポリマーが得られた。またリビング重合性は認められなかった。キラルコバルト錯体を用いると旋光度の比較的高いN-1-ナフチルマレイミドポリマーを得ることができた。 2.キラルRMIの不斉重合と得られたポリマーの光学分割能:N-置換体にアミノ酸誘導体(L-アラニン、L-ロイシン、L-バリン、(R)-または(S)-フェニルアラニン、(R)-または(S)-フェニルグリシン)を有するRMIを合成し、その不斉アニオン重合をキラルリガンド/有機金属を用いて行い、旋光度の非常に高いポリマーを得ることに成功した。円偏光二色性(CD)やNMRスペクトルから、主鎖に不斉が誘起されたことを示した。またこれらのポリマーを用いてHPLC用ラセミ体の光学分割用のキラル固定相(物理吸着型又はコート型)を調整し、一部のポリマーについては、非常に高い光学分割能を有していることを明らかにした。 3.化学結合型キラル固定相の開発:不斉アニオン重合で得られたキラルRMIポリマーを用いてシリカゲルに化学結合した化学結合型HPLC用キラル固定相を開発した。このポリマーを用いたキラル固定相では、全ての溶離液を使用することができる。既に一部の医薬品中間体の完全分割に成功した。 4.新規RMIの合成と不斉重合:N-置換基にアザクラウンエーテル類やアセチレン誘導体を有するRMIを新規に合成し、その不斉重合を行った。得られたポリマーの旋光性や構造について検討している。 5.新規RIIの合成と不斉重合:N-置換基にアミノ酸誘導体を有する新規キラルRIIを合成し、その不斉重合と得られたポリマーの不斉認識能について調査している。
|